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Texas Instruments,ローパス・フィルタが不要なD級アンプを発売
ニュース 2003年3月12日
米国Texas Instruments社は,ローパス・フィルタが不要なD級アンプ「TPA3001D1」,「TPA3002D2」,「TPA3003D2」,「TPA3004D2」を発売する.主に,液晶ディスプレイやプラズマ・ディスプレイを備えたテレビなどのオーディオ処理に用いられる.
TPA3001D1の出力電力は20W,電源電圧は8V~18V,パッケージは24ピンTSSOP.TPA3002D2の出力電力は9W,電源電圧は8.5V~14V,パッケージは48ピンQFP.TPA3003D2の出力電力は3W,電源電圧は8.5V~14V,パッケージは48ピンQFP.TPA3004D2の出力電力は9W,電源電圧は8.5V~18V,パッケージは48ピンQFP.
従来のD級アンプでは,音が出ていないときのオーディオ出力の+側と-側の波形がデューティ比50%の反転した位相になる.このため,スピーカに接続したときにリプル電流が流れ,電力効率を低下させる.この対策として,ローパス・フィルタを用いてリプル電流を除去している.
一方,今回のD級アンプでは,音が出ていないときのオーディオ出力の+側と-側の波形が同位相になるように,PWM(plus width modulation)制御をくふうした.このため,リプル電流はほとんど流れず,ローパス・フィルタを付加する必要がなくなった.本D級アンプを利用する場合,外付け部品としてEMI(electromagnetic interference)対策用のフェライト・ビーズが必要になるが,実装面積は小さくなるという.
同社は,本D級アンプの評価用ボードも用意する.評価ボードは2枚構成になっており,メイン・ボードには12V電源や9V電源,5V電源変換用のDC-DCコンバータ,スピーカ出力端子,音量調節回路などが搭載されている.一方,サブボードにはD級アンプが実装されている.
すでにTPA3001D1とTPA3002D2,およびそれらの評価用ボードのサンプル出荷を開始している.また,TPA3003D2,TPA3004D2,およびそれらの評価用ボードのサンプル出荷の開始時期は2003年第1四半期.
[写真1] TPA30001D1の評価用ボード(サブボード)
[写真2] TPA30002D2の評価用ボードを利用したデモンストレーション
[表1] D級アンプの仕様
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