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沖電気工業,サファイア基板上にSi層を形成するSOI技術でPeregrine社と提携
ニュース 2002年12月9日
沖電気工業は,サファイア基板上にSi層を形成するSOI(silicon on insulator)技術を用いたLSIの設計,製造,販売について,米国Peregrine Semiconductor社と提携を結んだ.SOI技術とは,Si酸化膜やサファイアといった絶縁膜上にSi単結晶を形成することにより,寄生容量を低減し,デバイスの高速化,低消費電力化を図る技術である.このような特徴を生かして,沖電気工業は携帯機器分野の半導体シェアを広げていきたいという.
今回の提携では,Peregrine社が保有する「UTSi(Ultra Thin Silicon)Silicon-on-Sapphire」という技術を沖電気工業へライセンスする.従来,サファイア層とSi層の格子の違いによって,Si層に格子欠陥が生じやすく,歩留まりを上げることが難しかった.同技術では,この欠陥が生じた部分を再成長させることにより,格子欠陥を取り除く.これによって,歩留まりが90%以上になった.そして,この歩留まりの向上によって,サファイアを用いたSOI構成のデバイスを安く提供できるようになったという.Peregrine社は,すでに同技術を用いたRF IC(スイッチ,PLL,ミキサ)を製品化している.スイッチICは0.2~1ドル,PLL ICは1~8ドル,ミキサICは1~4ドル程度だという.
上記技術のライセンスのほか,両社は製品の共同開発やセカンドソース/ファウンドリ契約,IPコアの共有などについても合意している.また,2003年から沖電気工業はPeregrine社製のRF ICを販売する予定.同年末には,それらのRF ICと沖電気工業のベースバンドLSIなどを組み合わせ,チップセットとして販売していきたいという.
[図1] UTSi Silicon-on-Sapphire技術を用いたトランジスタ
[図2] UTSi Silicon-on-Sapphireのウェハ断面
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