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エルミックシステム,ソフトウェアを分割して保護するμITRON仕様準拠のリアルタイムOSを発売
ニュース 2002年10月30日
エルミックシステムは,ソフトウェアを分割して保護する機能を持つ,μITRON3.0仕様準拠のリアルタイムOS「Hyper ITRON」を発売した.トロン協会は,2002年6月に保護機能を追加したITRON仕様「μITRON4.0/PX仕様」を公開しているが,Hyper ITRONの保護機能はこれとは異なる方式を採用している.
Hyper ITRONの保護機能では,タスクやイベント・フラグといったカーネルが管理するオブジェクトを,機能ごとにグループ(ソフトウェア・グループ)に分けて管理する.従来は,OS内で一元的に管理されているID番号を個々のオブジェクトに割り当てていた.Hyper ITRONでは従来のID番号(これを「グローバルID番号」と呼ぶ)とは別に,それぞれのグループ内で管理するローカルID番号を用意している.ローカルID番号を割り当てられたオブジェクトは,同一グループのオブジェクト以外から呼び出すことができないため,オブジェクトに対する不正な要求を未然に防止できる(オブジェクト保護機能).また,許可されていないメモリ領域へのアクセスを防止する機能(メモリ保護機能)も,ソフトウェア・グループの単位で実現している.
ローカルID番号で管理するオブジェクトが増えた場合,グローバルID番号を変更する必要はない.また,ソフトウェア・グループ管理を有効に活用して開発しようとすれば,機能ごとにグループ化してほかのグループとの入出力を定義することになる.これは,機能ごとのソフトウェアの独立性を高めることにつながるという.
Hyper ITRONは,同社のリアルタイムOS「ELX-ITRON」の新バージョンとして出荷する.また,ELX-ITRONにオブジェクト保護機能のみを追加した「ELX-ITRON Neo」も合わせて発売した.
[図1] ELT-ITRON,ELT-ITRON Neo,Hyper ITRONの違い
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