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Motorola,DSPとソフトウェアを使って同調やノイズ除去を行うラジオ用チップセットを発売
ニュース 2002年10月1日
米国Motorola社は,信号をディジタル化し,ディジタル信号処理プロセッサ(DSP)とソフトウェアを使って同調やノイズ除去を行うラジオ用チップセットを発売する.本チップセットは,RF(高周波)ICとIF(中間周波)IC,ベースバンドLSIから構成される.本チップセットを用いると,現在のAM/FMアナログ放送の受信能力や音質を高めることができるという.本チップセットは,主に家庭用オーディオ機器やカー・オーディオ機器向けに設計されている.
本チップセットでは,ディジタル信号処理によってノイズ除去性能を向上させている.例えば,カー・ラジオの場合,移動しているため電波の受信状況がつねに変化する.このとき,聞きたい局に対して前後の周波数の局(最大4局)から来る信号を抽出し,その信号をIFフィルタによって除去する.IFフィルタの帯域幅は,抽出した信号によって逐次変更する.このほか,アンテナを二つ利用し,受信信号を組み合わせることにより,マルチパスの影響を低減するしくみも備えている.
ベースバンドLSIには,一つの汎用24ビットDSPコア「56300」と,ラジオの受信処理を行う専用のディジタル信号処理回路が組み込まれている.このLSIはオーディオ処理用プロセッサとしても機能し,Dolby DigitalやDTS Digital Surround(米国Digital Theater Systems社のディジタル音声方式)などに対応したデコード機能を備えている.本ベースバンドLSIの処理性能は1500MIPS,動作周波数は150MHz.
特定の顧客に対して,すでにサンプル出荷を開始している.量産出荷は,2003年のクリスマス商戦に合わせて開始される予定.
[図1] 本チップセットを用いたディジタル・ラジオの基本構造
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