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Ansoft,電磁界シミュレータ,回路シミュレータ,システム・シミュレータを統合した高周波アナログ回路設計環境を発売
ニュース 2002年8月28日
米国Ansoft社は,電磁界シミュレータ「Ensemble V7」,回路シミュレータ「Harmonica V8.5」,システム・シミュレータ「Symphony V8.5」を統合した高周波アナログ(RF)回路設計環境「Ansoft Designer」を発売する.従来,同社はこれらのシミュレータを個別のポイント・ツールとして販売していた.そのため,電磁界シミュレータと回路シミュレータを組み合わせて利用する場合,ユーザはまず電磁界シミュレータを使って高周波アナログ回路(物理的な配線形状)を解析し,その結果をもとにsパラメータで表現したマクロ・モデルを作成し,このマクロ・モデルを回路シミュレータに入力していた.今回の設計環境では,こうした一連の作業を自動化できる.
高周波アナログ回路設計において,回路シミュレータと電磁界シミュレータを組み合わせて利用するケースは珍しくない.例えばスパイラル・インダクタどうしの電磁結合などは,回路シミュレータでは解析できない.一方,トランジスタなどの能動素子を電磁界シミュレータで取り扱うことはできない.Ansoft Designerは,複数の解析ツール(解析アルゴリズム)を備えている.ユーザは,回路ごとに適用する解析ツールを選択できる.
今回の設計環境は,回路シミュレーションにおいて,時間領域の解析と周波数領域の解析を同時に行える.電磁界シミュレーションでは,モーメント法をもとにした「SVD FastSolve」と呼ぶ高速化技術を導入している.例えば16×16のパッチ・アレイ・アンテナを8時間40分で解析できたという(400MHz動作のCPUを搭載したパソコンで実行.使用メモリ容量は最大781Mビット).
Windows 2000/XPが稼働するパソコンの上で動作する.2002年10~11月に出荷を開始する予定.
[図1] Ansoft Designerの画面例
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