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東光,輪郭振動を用いた昇圧比30倍の単板型圧電トランスを開発

 東光は,輪郭振動を用いた昇圧比30倍の単板型圧電トランスを開発した.輪郭振動とは,印加される電圧によって材料が圧縮/膨張するときの厚み方向振動(横効果)を指す(図1).

 本圧電トランスの試作品の外形寸法は11.0mm×9.6mm×0.6mm.入力電圧は最大2.5W,出力電力は1.5W(発熱10℃以下)である.電力密度は24W/cm^3.負荷抵抗が100kΩ時の負荷昇圧比は25倍,開放出力電圧は最大4600V,共振周波数は190KHzである.負荷効率は,負荷抵抗が100kΩのときに94%,整合負荷時に96%.

 昇圧比は,電気結合係数比(横効果/縦効果)と入出力のインピーダンス比(長さ/厚さ)によって決まる.昇圧比を高くするには,横効果を大きくする必要がある.従来のローゼン型圧電トランスは,棒状の長さ方向の振動(縦効果)を利用している.このため昇圧比は小さい.高い昇圧比を得るためには,ローゼン型トランスを積層する必要があった.このため,製造方法が複雑になり,小型化が難しい,コストが高いなどの問題があった.

 これまで輪郭振動を利用して,大きな昇圧比を得ようとすると,トランスの駆動に必要な共振周波数近傍で不要な副共振振動が発生していた.本圧電トランスでは,FEM(finite element method;有限要素法)解析を行うことにより,主共振振動近傍の不要な副共振によって発生する電荷をキャンセルすることができたという.

 東光は,本圧電トランスを組み込んだインバータを製品化する予定.圧電トランスのみの発売時期は未定である.


[図1] 圧電トランスの振動の種類


[写真1] 圧電トランスの外観

■連絡先
東光株式会社
TEL: 049-250-2036
URL: http://www.toko.co.jp/

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