Novas Software，レジスタやデータ信号，制御信号などの情報を抽出してグラフィカルに表示するHDLデバッグ・ツールを発売

　米国Novas Software社は，回路中のレジスタ，データ信号，制御信号などの情報を抽出してグラフィカルに表示するHDLデバッグ・ツール「Verdi」を発売する．HDLのリストと信号波形をもとにデバッグを行う場合よりも，バグが存在する箇所を直感的に絞り込みやすくなる．例えば，必ずしも詳細な回路構成を理解していない検証エンジニアがデバッグを行うときに利用すると効果が高いという．

　Verdiは，Verilog HDLのデータとシミュレーション結果の情報から「レジスタ・フロー・グラフ」と「ステートメント・フロー・グラフ」を生成する．レジスタ・フロー・グラフは，レジスタ，データ信号，制御信号の情報だけを表現したRTL（register transfer level）の信号フロー図である．一方，ステートメント・フロー・グラフは，HDL記述にレジスタ値の情報などを付加したリストである．波形ウィンドウ，レジスタ・フロー・グラフのウィンドウ，ステートメント・フロー・グラフのウィンドウは，クロス・プロービング機能によって連携動作する．

　また，サイクル・ベースのシミュレーション機能を備えている．レジスタ・フロー・グラフやステートメント・グラフの上で信号値を設定し，その信号が伝播していくようすを確認できる．記述を逐次修正しながらシミュレーションを進める，いわゆるwhat-if解析も行える．ただし，メモリや論理合成の対象とならない回路，および遅延情報を扱うことはできない．

　OSは，Solaris，HP-UX，IBM AIX，Linuxに対応している．2002年7月から出荷を開始する．

[図1] Verdiの画面例