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松下電器産業,薄膜の抵抗やコンデンサ,インダクタを内部に埋め込めるフレキシブル基板を発売
ニュース 2002年5月21日
松下電器産業は,薄膜の抵抗やコンデンサ,インダクタを内部に埋め込んだフレキシブル基板を開発した.有機フィルム上に厚さ1μm以下の抵抗やコンデンサなどを直接形成し,そのシートを積層して実現する.シートの厚さは25μm~50μm,シートの外形は最大100mm×100mm.補償温度は最大300℃,基板の層数は十数層まで対応できるという.
本フレキシブル基板で埋め込める抵抗値は100Ω~10kΩ,定格電力は1/20W,抵抗値の精度は±2%,温度補償は±100ppm/℃である.コンデンサの容量値は10pF~100pF,定格電圧は6.3V,容量値の精度は±10%,温度補償は0.15%/℃である.インダクタの誘導値は1nH~50nH,定格電流は0.2A,誘導値の精度は±20%である.抵抗やコンデンサ,インダクタはスパッタリング成法を用いて製造される.固体表面に加速された高エネルギの粒子を衝突させると,その固体を構成する原子や分子がたたき出される.スパッタリング成膜技術では,このたたき出された原子や分子を基板に付着させて成膜する.
フレキシブル基板に抵抗やコンデンサ,インダクタを埋め込むことにより,高周波信号の伝送損出を低減できる.また,レーザ加工によって抵抗値や容量値,誘導値を調整できる.ただし,2けた以上の特性値の変更は難しいという.また,多層基板の場合,内層の特性値を変更することはできない.
1層のフレキシブル基板のサンプル出荷の開始時期は2002年10月.多層のフレキシブル基板については2003年の製品化を検討している.
[写真1] 薄膜の抵抗やコンデンサを基に埋め込めるフレキシブル基板の外観
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