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NECと富士重工,環境対応型自動車に搭載するマンガン系リチウムイオン組電池の実用化に向けて合弁会社を設立

 NECと富士重工業は,環境対応型自動車に搭載するマンガン系リチウムイオン組電池(2次電池)の実用化に向けて,合弁会社「NECラミリオンエナジー」を2002年5月20日に設立する.この合弁会社の主な業務は,マンガン系リチウムイオン組電池の開発とサンプルの試作である.出資額は4.9億円で,出資比率はNECが51%,富士重工が49%.代表取締役には,現NEC研究企画部エグゼクティブエキスパートの内海和明氏が就任する.

 合弁会社設立の背景として,世界規模で環境対応型自動車の開発に拍車がかかっていることが挙げられる.環境対応型自動車には,ハイブリッド車,電気自動車,燃料電池車があり,いずれの自動車にも2次電池は必須のものであるという.

 富士重工は,約10年前から組電池(単セルを直列接続して,大容量の電圧を発生させる電池)を研究しており,電池セルのバランス制御などの技術を持っている.一方,NECは,電池セルの電極材料技術や積層型ラミネート技術(電極を積層構造にして,ラミネート・フィルムで封止する技術)を開発している.またNECは,マンガンが電解液に溶けやすいというマンガン系リチウムイオン電池の課題を解決する技術を持っている.

 現在,市販のハイブリッド車で使用されている2次電池は,ニッケル水素電池である.リチウムイオン電池は,ニッケル水素電池と比べてパワー(加速性,最高速度を出すための性能:W)やエネルギ(長距離走行のための性能;Wh),体積,重量,自己放電などで優位性を持つという(図1).

 また,現在市販されているのはパラレル方式(図2)のハイブリッド車が主流だが,富士重工はシリーズ方式(図3)のハイブリッド車を開発していく予定であり,将来的には燃料電池車の2次電池としてマンガン系リチウムイオン組電池を搭載したいという.

 今後3年間は実用化を目標とし,それが達成できてから量産について検討していくという.また,将来的には,国内外の自動車メーカへの技術提供も考えている.


[図1] リチウムイオン電池とニッケル水素電池の性能の比較


[図2] パラレル方式ハイブリッド車の構造概略


[図3] シリーズ方式ハイブリッド車の構造概略

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