日立，接触と非接触の両方のインターフェース機能を1チップに搭載したICカード用マイコンを発売

　日立製作所は，接触と非接触の両方のインターフェース機能を1チップに搭載したICカード用マイコン「AE45X-B」を発売する．AE45X-Bには，出荷形態の違いによって「HWD65145XBT」，「HWD65145XBTD」，「HD65145XBDB」の3品種がある．HWD65145XBTはウェハの形態で，HWD65145XBTDはダイ・チップで，HD65145XBDBはCOT（chip on tape）で出荷する．

　本製品の接触用インターフェースはISO7816（接触式ICカードの標準規格）に準拠する．一方，非接触用インターフェースはISO1443 Type-B（近接型非接触ICカードの標準規格）に準拠している．PKI（public key infrastructure）に対応したべき乗剰余演算用回路と，共通鍵方式のDES（data encryption standard）暗号に対応した処理回路を内蔵している．

　本製品は，36KバイトのEEPROMと128KバイトのマスクROMを内蔵している．接触動作時は，接触した際に外部から3Vまたは5Vの電源電圧が供給される．動作周波数は，5V供給時が1M～10MHz，3V供給時が1M～5MHz．非接触動作時は，外部の交流信号の電磁界を外付けのアンテナで受信し，誘導起電力を発生させる．この起電力を整流して得られる直流電圧をチップに供給する．整流回路はチップに内蔵されている．

　本製品の開発環境として，AE-4用のエミュレータ「E6000」にAE45X-B対応の機能を加えた「HS0AE4EPI62H」を用意する．AE-4は，AE45X-Bが内蔵している同社のICカード向け16ビットCPUコアである．AE45X-Bは，2002年7月からサンプル出荷を開始する．