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Intrinsity,行列/ベクトル演算用ユニットを内蔵した2GHz動作の信号処理用プロセッサを発売

 米国Intrinsity社は,行列/ベクトル演算用ユニットを内蔵した2GHz動作の信号処理用プロセッサ「FastMATH」を発売する.MIPS32アーキテクチャのCPUコアを内蔵している.医療用画像処理など,リアルタイム性を要求される分野での需要を見込んでいる.このような分野では,従来,ASICやFPGAなどを利用してディジタル信号処理回路を構成することが多かった.

 FastMATHでは,行列/ベクトル演算をハードウェア的に処理するため,ソフトウェア・プログラムで制御するDSPよりも処理が高速になるという.動作周波数が2GHzのFastMATHを利用して,Radix-4のFFT(高速フーリエ変換)演算を1秒間に596,000回実行できたという(サンプリング数は1,024点).

 これとは別に,MIPSアーキテクチャをとる2GHz動作の組み込みプロセッサ「FastMIPS」を発売する.行列/ベクトル演算ユニットは内蔵していないが,それ以外の機能はFastMATHと同じである.

 両製品とも同社の設計自動化技術「Fast14」を用いて設計された.Fast14は,ディジタル回路設計において速度が求められる部分をCMOS論理からダイナミック論理に置き換える技術である.ダイナミック論理ではnチャネル素子を多用し,CMOS回路より速度を引き上げられるという.回路の高速化のほか,Fast14にはクロストーク・ノイズを抑えるための配線技術や,アドレス・スキューを小さくするためのクロック分配技術も含まれている.Fast14技術を用いて,0.18μmプロセスの製造ラインでテスト・チップを作成したところ,電源電圧1.7Vで,2.2GHz動作の回路を実現できたという.なお,今回の二つの製品では,速度が要求されない回路はCMOS論理で設計されている.

 FastMATH,FastMIPSともに2002年第4四半期からサンプル・チップの出荷を開始する.今後は,Fast14技術の採用とプロセス技術の改善により,3GHzや4GHzのクロック周波数で動作する製品を順次発売していきたいという.


[図1] FastMATHの内部ブロック図

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イントリンシティ 日本/アジアパシフィック
TEL: 03-5282-5411
URL: http://www.intrinsity.com/

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