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東大工学部,講義の重複や関連性を明示する検索ツールと遠隔教育システムを開発

 東京大学工学部は,2002年4月1日から『教育プロジェクト室』を設置する.本プロジェクトの実施期間は5年間.この間に,講義の重複や関連性を明示する検索ツールや遠隔教育システムを開発する.

 本プロジェクトの目標の一つは,950にのぼる工学部の科目数を減らすことである.各科目の中から本質的に同じ項目を見つけ出し,重複や関連性があるものをまとめる.そして,これらの項目を整理し,基礎教養と工学基礎,先端技術がどのようなつながりになっているかを検索できるシステムを開発する.このシステムを利用することにより,学生は現在勉強している科目がどういった技術につながるのかを理解し,専門分野の全体像をとらえることができるという.

 このほか,インターネットを利用して,離れた場所にあるキャンパスからでも任意の講義を受けられるようにする.将来的には,学内だけでなくアジアや北米などの大学や研究所とも連携していきたいという.

 最近では,工学分野の細分化や専門化が進み,学生は現在学んでいる科目の位置づけがわからず,学問に対する方向性を見失っているという.また,教官も自分の専門分野から少し離れると内容がわからなくなっている.「現在,大学教育における課題は『知識』の活用と,教育の組織化である」(東京大学工学部長兼大学院工学系研究科長の小宮山宏氏).

 東京大学では,本プロジェクトの検索ツールを開発したり,ネットワーク・システムを構築するプロジェクト専任教官として,新日鉄ソリューションズ 大分支社 取締役支社長の大場善次郎氏と,NTTアドバンステクノロジ 取締役の吉田真氏を採用した.担当教官は,2001年10月~11月に公募した.大場氏と吉田氏は39名の応募者の中から選ばれた.「本プロジェクトでITの知識は必須.その点では2名ともそれぞれシステムの構築やネットワークの分野に携わっているので申し分ない.また,両名とも電気工学科の出身であり,工学部の講義の中身を理解できる.さらに,大場氏は製造だけでなく人材教育の経験があり,吉田氏はITの国際規格策定に携わっており,二人のバランスがよい」(小宮山宏氏).大場氏と吉田氏は本プロジェクト向けの教育システムの開発などに専念し,基本的には学生に直接講義を行うことはないという.

 両氏は2002年4月1日から担当教官に就任する.


[写真1] 教育プロジェクトの担当教官に就任する大場氏(左)と吉田氏(右)

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