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NEC,最大5mの距離を5Gbpsの伝送速度で通信できる多並列シリアル通信IPコアを開発
ニュース 2002年2月4日
NECは,最大5mの距離を5Gbpsの伝送速度で通信できる多並列シリアル通信IPコアを開発した.今回開発されたIPコアは,ハイエンドのルータやサーバなどの基幹系通信装置を主なターゲットとしている.本IPコアは,2002年2月4日~6日まで米国で開催されるISSCC(International Solid-State Circuits Conference) 2002で発表される.
長距離・高速データ通信では,周波数に依存する損失や信号の反射がケーブル長に比例して大きくなる.これにより,受信信号が減衰したり,信号レベルが上下に変動するという問題が発生する.そこで同社は,受信部の入力バッファのデータ保持段と入力段の構成を従来のたて積み構造から水平構造に変更した.これによりデータ保持段が信号の流れを妨げなくなり,高速動作が可能になった.また,たて積み構造では難しかった入力電圧の引き下げも可能となり,水平構造で1.5Vまで下げることができたという.
さらに,同社は新しいチャネル間同期技術も開発した.多並列型シリアル通信の場合,入力データのパケットのヘッダ信号(マジック・コード)の位置を受信側のチャネル間同期回路で検出して同期をとる.複数のIPコアによってデータの送受信を行う場合,従来はマジック・コードの受信がいちばん遅いものに同期のタイミングを合わせていたため,早く受信されたグループの遅延が大きくなった.今回開発されたチャネル間同期技術では各チャネルをグループ分けし,グループごとに同期を取る.この技術により,一つのシステムLSIに20個の本IPコアを搭載できるという.
同社は,2002年度後半に本IPコア,および本IPコアを組み込んだASSPの製品化を予定している.今後は,さらに本IPコア技術を改良し,2005年には1チャネル当たり1Tbpsの伝送速度を備える,最大100チャネルに対応した多並列シリアル通信を実現したいという.
[写真1] 5Gbps多並列CMOSシリアル通信IPコア
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