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2002年の電子産業国内生産,対前年比+0.7%増とJEITAが発表
ニュース 2002年1月30日
JEITA(電子情報技術産業協会)は,電子産業分野における2001年と2002年の国内生産額を発表した.2001年の国内生産額は,対前年比-15.3%と大きく落ち込んだ.一方,2002年は同+0.7%増と,わずかながらプラスに転じると予測した.
JEITAの発表によると,2001年の国内生産額は約22兆1630億円である.対前年比で見ると,バブル崩壊直後の1992年の-12%よりさらに低い-15.3%になった(図1).これは,JEITAが統計を取り始めてから最大の落ち込みであるという.また,生産品目別に見ると,電子部品・デバイスが対前年比-21.8%(9兆1600億円)と大幅に低迷している(図2).
JEITAの会長を務める森下洋一氏は,「この落ち込みの原因は,米国のIT(information technology)不況に端を発する生産調整や在庫調整によるものが大きい」と述べた.また,テレビに代表される民生機器の海外生産移転も増えており,「生産の構造的な変化も原因の一つである」と説明した.
その一方で,「この景気の落ち込みは循環的なものであり,2001年が底である」とも語った.欧米向けの携帯電話などの在庫調整が落ち着きつつあることと,国内のディジタル・オーディオ機器の需要に回復の兆しが見えていることなどがその理由である.ただし,生産の構造的な変化を考えると,「今後2,3年は伸び率が横ばいで,2004年ころから上昇するのではないか」という見解を述べた.
以上のような背景から,2002年の国内生産額は,およそ22兆3200億円,対前年比+0.7%増という予測が示された.特に電子部品・デバイスについては,2002年に開催される冬季オリンピックやサッカー・ワールドカップが,ディジタル・テレビのチューナや受信機の需要を押し上げると見込んでおり,対前年比+2.1%増と予測した.
[図1] 電子工業生産推移(2001年は見込み,2002年は見通し):JEITAの発表資料に基づく
[図2] 電子部品・デバイス生産推移(2001年は見込み,2002年は見通し):JEITAの発表資料に基づく
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