[ keyword: 開発環境 ]
三洋電機がCoWare社のN2Cを導入,ARM926EJ-Sを搭載したシステムLSIを開発するためのハード・ソフト協調設計環境を構築中
ニュース 2002年1月25日
三洋電機の半導体部門は,米国CoWare社の「N2C」を導入した.これを利用して,ARM926EJ-Sを集積したシステムLSIを開発するためのハードウェア・ソフトウェア協調設計環境を構築中である.「ハードウェア・ソフトウェア協調設計の商用ツールの中で,N2Cは,ある程度使えるレベルに達している唯一のツール」(三洋電機 マイクロエレクトロニクス研究所システムLSI研究部 コデザイン研究室&フィジカルデザイン研究室 室長の山田節氏).
ARM926EJ-Sは,ARMアーキテクチャをとる32ビットRISCプロセッサ・コア.Javaバイト・コードを直接実行する機能(Jazelle拡張)を備えている.三洋電機は,PDAや携帯型情報端末,携帯型テレビなどの機器に組み込むシステムLSIに,このRISCプロセッサ・コアを搭載していく方針である.
同社は,CoWare社のシステム・レベル言語であるCoWareCを利用して,ARM926EJ-S,およびその周辺回路のシステム・レベル・モデルを用意する.システムLSIの設計者は,N2Cとこれらのモデルを利用して,システム全体の性能を評価しながらハードウェアとソフトウェアの分割を行ったり,設計の早期にデバイス・ドライバやAPI(application programming interface)などの開発とデバッグを行う.さらに,インターフェース回路(例えば,バス・コントローラ,バス・ブリッジ,メモリ・コントローラなど)の自動生成にもN2Cを利用するという.こうした環境を,三洋電機ではバーチャル・プラットホームと呼んでいる.「今春までには,バーチャル・プラットホームをシステムLSIの設計者に提供できるようにしたい」(三洋電機セミコンダクターカンパニーシステム事業推進部 システムマイクロビジネスユニット 課長の渡辺徹氏).
[写真1] 三洋電機セミコンダクターカンパニーシステム事業推進部 システムマイクロビジネスユニット 課長の渡辺徹氏(左)と同社マイクロエレクトロニクス研究所システムLSI研究部 コデザイン研究室&フィジカルデザイン研究室 室長の山田節氏(右)
■連絡先 |