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Pulsic,14,000ネットを含むSOCの最上位階層配線を約7分で処理する自動配線ツールを発売
ニュース 2002年1月24日
英国Pulsic社は,SOCの最上位階層向け自動配線ツール「Lyric Σ(リリックシグマ)」の国内での販売を開始する.配線層数が7層,設計ルールが0.18μm,ネット数が約14,000,ブロック数が約400のSOCの最上位階層について配線を行ったところ,約7分で処理が済んだという(Pentium4プロセッサを搭載したパソコンを利用).EDS Fair 2002では,販売代理店であるセイコーインスツルメンツがLyric Σのデモンストレーションを行った.
本ツールはシェープ・ベースの自動配線アルゴリズムを備えている.任意の場所に配線を置くことができるシェープ・ベース手法は,高密度の配線に向いている.その一方で,配線形状が複雑になりがちであるため,グリッド単位に配線を行うグリッド・ベース手法と比べて,処理速度は遅いとされてきた.Lyric Σでは,同社のT-route技術を用いることで,処理速度を向上させている.T-route技術とは,配線初期は詳細な形状のチェックを省き,自動配線が進むにつれて必要な形状のチェックを行っていく方法である.
また,T-route技術を用いると,バス配線にしたほうがよいネットを自動認識して優先的に配線するため,総配線長が短く,ビア数が少ない配線パターンが得られる.グリッド・ベースを用いた配線に比べて,総配線長が10%減り,ビア数は約1/4になったという.
電源線やクロック線の配線時には,トランク配線や分離配線,スター配線などを設定できる(写真1).また,電源配線後,そのほかの配線に入る前にグローバル配線を行い,配線の混みぐあいを確認できる.混雑している箇所は,ハード・マクロを移動させるなどしてスペースを設けることになる.この際,その周辺の配線パターンは自動的に再配線される(写真2).
Lyric Σの販売は,2002年2月から開始される.
[写真1] 電源配線のトランク配線のデモンストレーション
[写真2] グローバル配線のデモンストレーション
[写真3] EDS Fair2002のセイコーインスツルメンツのブース
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