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Tensilica,Xtensa向けDolby Digitalデコーダの開発環境を提供
ニュース 2001年10月31日
米国Tensilica社は,同社のコンフィギャラブル・プロセッサ「Xtensa」向けのAC-3(Dolby Digital)デコーダ開発環境を提供する.この開発環境を使うと,サンプル周波数は32kHz,44.1kHz,48kHz,データ転送速度は64kbps~640kbpsに対応するAC-3デコーダを開発できる.このAC-3デコーダは,32ビット浮動小数点データパスにより,113dBのダイナミック・レンジを実現している.AC-3は,独立した6チャネルのスピーカを使用するディジタル・オーディオ機器に関する規格.6チャネルのスピーカとは,左右(L/R),中央(C),左右効果音(Ls/Rs),重低音専用(SW)である.
この開発環境は,同社が開発したTIE(Tensilica Instruction Extension)技術を利用している.これは,独自の記述言語で追加したい拡張命令を定義し,所望のマイクロプロセッサを生成する技術である.同社がTIE技術による特定の拡張命令を製品として提供するのは今回が初めて.従来は,顧客自身がTIEの記述言語を使って拡張命令を定義する必要があった.
今回の開発環境では,AC-3用に41の追加命令を提供する.この追加命令は,例えば,ビット・ストリームや32ビット浮動小数点データパスなどの処理などに用いられる.このほかAC-3デコーダ用のCソース・コードを提供する.このCソース・コードは,米国Dolby Laboratories社からライセンスされたものをTIEを使用できるように同社が改良を加えたものである.また,顧客からの要求に応じて,Cソース・コードの代わりにオブジェクト・コードも提供する.
TIEを採用したことにより,ゲート数はおよそ8万ゲート(チップ面積では1~2mm2に相当)増加する.一方,命令の実行ステップ数は減少するため,必要とされるRAMやROMのサイズは小さくなる.RAMは32Kバイト,ROMは20Kバイトである.このメモリ・サイズは,ほかの32ビット・プロセッサと比べると,40~50%少ないという.
同社は,この開発環境を2002年1月から販売する予定である.
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