FPGAマガジン掲載企画_OKI情報システムズに聞く

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2013年10月24日

XILINXのプレミア メンバに認定されたOKI情報システムズに聞く
自社製IP通信プロトコルの高速化


 
OKI情報システムズ
メディアソリューション事業統括部
IPプラットフォームBU BU長
山本 康雄 氏

 山本氏はザイリンクス主催の技術セミナでは,PCI Expressの講師も務める



御社の事業内容を簡単に教えてください
山本氏:弊社はOKIグループの一員としてソフトウェアを中心に製品開発をしてきました.IPプラットフォームBUもグループ社内向けにLSI/FPGAの設計を行っていましたが, 現在は FPGA向けの自社製IPプラットフォームをベースとしたデザイン サービスを提供しています.FPGAメーカであるザイリンクスとは数年来パートナーとして組ましていただいており,同社FPGA向けIPの開発・提供には多くの実績があります.

 

御社のデザイン サービスの特徴は
山本氏:IPをベースにデザイン サービスを提供していますが,このIPをライセンス販売可能な形態として自社開発しているのが他社にはない最大の強みです.自社開発のため,お客様のご要望や状況の変化に応じてIPを柔軟に変えることができます.また,多数のライセンス販売実績のあるIPを使用することにより,短期間で高品質なソリューションを提供できます.きめ細かなサポートが可能ですので,長期間安心してIPをご利用いただけます.
 もうひとつの強みは,今年からザイリンクス アライアンス プログラム プレミア デザイン サービス メンバ(以下プレミア メンバ)になったことです.

 

プレミア メンバってなんですか
山本氏:平たく言えば, FPGA 設計の専門家という立場でザイリンクスから共同パートナーとして公式に認められたということです.

 そのためには,320 項目のオンサイト監査をクリアし,ザイリンクスのフィールド エンジニアと同じ厳しいトレーニングに合格するなど高いハードルを乗り越えて,今年1月に認定されました.また4半期ごとにレビュー(目標の検証)をザイリンクスと行っています.

 

プレミア メンバとしてのメリットは
山本氏:まず一次代理店と同じ情報をもらえることです.Virtex-7やZinqなどといった新しいデバイスの情報を約半年前に入手しています.またESチップ搭載の評価ボードも優先して使えます.IPコアの移植を先行できるため,新しいデバイスが市場に出るころにはIPの提供が可能となります.そのためお客様の開発期間も短くできます.
 もうひとつは,ザイリンクスからサポートを最優先で受けられる点です.早ければ当日,どんなに遅くとも3日以内には回答をもらえるため,お客様に対して迅速な対応ができます.
 またプレミア メンバを契機にメンター・グラフィックス社のCDC検証ツールを社内標準ツールとして導入しました.非同期間転送を検証しさらに高い品質をお客様に保証します.

 

IPコアにはどんな製品がありますか
山本氏:組み込み系の主力としては,PCI Express用DMAコントローラ(iDMAC),ギガビットEthernetコントローラ(TCP Offloading Engine),産業用カメラ通信プロトコル・コントローラ(GigE-Vision),シリアルATA Raidコントローラ(SATA Raid_C)の四つが挙げられます.


高速通信系が得意のようですね
山本氏:PCI Expressを使った高速データ転送用のIPには,弊社開発のiDMAC(アイディ—・マック:Intelligent Direct Memory Access Controller)と名付けられた技術を採用しています.

 iDMACでは,PCI-Expressのプロトコルを詳細に検討することで処理を最適化し,高速なデータ転送を実現しています.転送速度については,お客様の社内ベンチテストでも一番の評価をいただいています.PCI-ExpressのGen3 / 8Laneにも対応しており,ザイリンクスの認定IPにもなっています.iDMACの採用分野としては,医療用画像機器,ディジタル シネマなどがあります.

 


図1 iDMACを利用したDMA転送

 

 

いま流行のギガビットEthernetのIPも提供しているのですね
 Ethernet関連の開発について,弊社はOKIグループの中で中心的存在を担っており,研究開発にも古くからの実績があります.ハードウェアのTCP Off Loading Engine とソフトウェアのプロトコル スタックの両方を自社で開発することで,1Gbpsの回線で940Mbpsの高速転送を実現しています.

 

今後の営業戦略や計画をお聞かせください
山本氏:Zynq向けソリューション プラットフォームの開発を本格的にスタートさせました.
 

図2 FPGAに対応した今後のIPロードマップ(1)

 

図3 FPGAに対応した今後のIPロードマップ(2) 

 

 ZynqをSoCとして活用するための,ワイヤレスやグラフィックスへの対応です.AVコーデックなどについては,専門の各IPメーカとアライアンスを組んで開発を進めています.
  弊社では営業とSEが一緒になった5名程度のチームが,ザイリンクスと共調して動いており,ザイリンクスの代理店様が直接のお客様になります.今後は代理 店様の先のエンドユーザ様にも分かりやすいように,デモンストレーション方法も含めて,パッケージ化したソリューションを提案していきます.

どうもありがとうございました

注意:この記事に記載されている会社名,製品名は,各社の登録商標または商標です.

 

 


OKI情報システムズ http://www.okijoho.co.jp/
〒370-8585 群馬県高崎市双葉町3番1号 電話:027-325-1525(代表)




 

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