mruby組み込み活用テクニック(1) ―― mrubyのビルド・ツールRakeを知る
コラム minirakeコマンドの存在理由
ビルド・ツールRakeは,Rubyともmrubyとも独立したプロジェクトによって開発が進められています.mrubyには,他のプロジェクトへの依存性を低めるために,minirakeというコマンド(中身はRuby言語で記述されたスクリプト)が用意されています.
minirakeコマンドは,Rakeに含まれるrakeコマンドのサブセットです.本家のRakeよりも機能は少ないのですが,mrubyのビルド・スクリプト群は,minirakeが提供する機能の範囲内だけで記述されています.そのため,別途Rakeをインストールしなくても,mrubyがビルドできるようになっています.日ごろ Ruby 言語に親しんでいる方は,rakeコマンドを用いていただいても構いません.
なお,念のため確認しておきますが,Rakeに含まれるrakeコマンドも,mrubyに含まれるminirakeコマンドも,実態はRuby言語で書かれたスクリプトです.つまり,これらの実行にはRuby言語の処理系が別途必要です.言い換えると,mruby のビルドを行うには,mruby 以外の,Ruby言語の処理系を用意する必要があります.複雑なビルド環境の中を探索していると,混乱することがありますので,頭の片隅に残しておいてください.
むらなか・まさき