Kinect for Windowsで機器を作るヒント(5) ―― Kinect for Windowsランタイム

茂出木 裕也

tag: 組み込み Interface

技術解説 2012年8月 9日

 今回は,Kinect for Windows Developer Toolkitのバージョン1.5.1と,Kinect for Windowsのランタイムの解説です.ランタイムはアプリケーションを配布する上で必要なものです.

Kinect for Windows Developer Toolkit Ver1.5.1

連載第2回「Kinect for Windowsで機器を作るヒント(2)」では,Kinect for Windows SDK Developer Toolkitの入手方法とインストール方法を紹介しましたが, 6月後半にDeveloper ToolkitVersion1.5.1にアップデートされましたので,まずはv1.5.1の変更内容を説明します.

Developer Toolkit v1.5.1では Toolkit本体と付属するサンプルの不具合修正,パフォーマンスの改善などが行われているほか,新たにオフライン・ドキュメントが追加されています.リリースノートの「Changes in Developer Toolkit 1.5.1」の部分には,どのような不具合が修正されたかといった内容が記載されているので,下記URLのリリースノートの内容を確認してみると良いでしょう.

http://msdn.microsoft.com/en-us/library/jj131036

Developer Toolkit v1.5.1 は次のURLから入手可能です.

http://www.microsoft.com/en-us/kinectforwindows/develop/developer-downloads.aspx

DOWNLOAD TOOLKIT」のボタンをクリックして,KinectDeveloperToolkit-v1.5.1-Setup.exe をダウンロードし実行します.すでに開発用PCDeveloper Toolkit V1.5がインストールされている場合であっても,そのまま上書きでインストールを進めて問題ありません.

 

図1 Developer Toolkit v1.5.1の入手

なお,Kinect for Windows SDKについてはv1.5からの変更はなく,デバイス・ドライバやランタイム・モジュール類はv1.5のまま利用できます.

 

Kinect for Windows ランタイムの使用方法

ここからは、Kinect for Windows SDKで開発したアプリケーションを配布する際の手順や注意事項を説明します.

Kinect for Windows SDKは開発用PCにインストールするものですが,完成したアプリケーションやKinect本体を配布先のターゲットPC上で動作させるには,再頒布用モジュール(Kinect for Windows ランタイム)を使ってセットアップします.この再頒布用モジュールは,Kinect for Windows SDK をインストールした開発用PCの表1のパスに用意されており,Kinect for Windows 1.5 ランタイムとデバイス・ドライバのほか,Microsoft Speech ランタイム・コンポーネント,C++ ランタイム・コンポーネント,.NET Framework 4.0 のインストーラが含まれています.ですから,完成したアプリケーションと一緒にこのセットアップ・モジュールを配布します.

 

1 再頒布用モジュールが用意されている場所

ファイルパス

 

C:\Program Files\Microsoft SDKs\Kinect\V1.5\Redist.txt

再頒布用モジュールの説明

C:\Program Files\Microsoft SDKs\Kinect\V1.5\Redist\KinectRuntime-V1.5-Setup.exe

再頒布用モジュールのインストーラ

 ターゲットPC上でKinectRuntime-V1.5-Setup.exe を実行すると,Kinect for Windowsのランタイムのセットアップが開始されます.セットアップは短時間で完了します.

なお,これらの再頒布に関する事項はKinect for Windows SDK EULA(使用許諾)に記載されているので,完成したアプリケーションと一緒に配布する前に内容を確認することをお勧めします.

Kinect SDK EULA(日本語版) – 「再頒布可能コード」

http://www.microsoft.com/en-us/kinectforwindows/develop/sdk-eula_ja-jp.aspx

 

2 Kinect for Windows ランタイムのセットアップ

 

図3 Kinect for Windows ランタイムのセットアップ

 

図4 Kinect for Windows ランタイムのセットアップ

 

Kinect for Windows 商用利用時の注意事項

Kinect for Windows SDKを使用したアプリケーションの開発段階ではXbox360用のKinect本体を利用できますが,開発したアプリケーションを商用で利用する場合にはKinect for Windows の本体が必要です.この点についても,EULAに記載がありますので注意してください.

Kinect SDK EULA(日本語版) – Kinect for Xbox 360 センサーとの使用の制限」

http://www.microsoft.com/en-us/kinectforwindows/develop/sdk-eula_ja-jp.aspx

 なお,Kinect for Windows ランタイムには,接続されたKinect本体がXbox360用かWindows用かを判別する仕組みが備わっています.Xbox360Kinectが接続された場合には,「DeviceNotSupported」や「Kinect for Xbox not supported」といったエラー画面が表示されて,利用が制限されていることがわかります.

【参考URLRunning a Kinect-enabled Application on a Non-Developer Machine

http://msdn.microsoft.com/en-us/library/hh855357

 

5 Kinect for Windows を接続した場合に表示される画面

 

6 Xbox360用のKinectを接続した場合はエラーが表示される

 

7 Xbox360用のKinectを接続した場合にサンプル・アプリの Shape Gameを起ち上げるとエラーが出る

  

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