そこは知っておきたい「ZigBee ネットワークの可能性」

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2009年4月24日

世界で初めて ZigBee製品認証を取得したディジ インターナショナルは,そのモジュールを応用したZigBeeアダプタ,ZigBee センサ,ゲートウェイ,遠隔監視サーバといったシステム構築を行う上で必要なすべて機器を提供します.ここでは,手軽で省エネを実現する無線通信技術として現在注目されている ZigBee の基礎知識や応用分野について解説します.


 

ZigBee はなぜ注目されているのか

  無線PAN(Parsonal Area Network)には,Bluetooth やUWB(Ultra Wide Band)などの技術があります.現在,機器間通信に実用的な規格として注目を集めているのがZigBee です.ZigBeeは,業界団体であるZigBee Alliance が世界標準仕様を策定した無線通信規格の1 つで,802.15.4 で規定された物理層とMAC 層を利用し, その上位のネットワークインテリジェンスをもった無線PAN プロトコルです.DSSS(直接拡散スペクトラム)方式を使用し,チャネルアクセスはCSMA-CA 方式を採用しています.世界的には2.4GHz の周波数帯域が利用可能ですが,米国では915MHz 帯域,欧州では868MHz 帯域,日本では950MHz 帯域の利用も認可されています.ZigBee が幅広い産業からの関心を集めているポイントとして,次のような特徴が挙げられます.


 

低消費電力・低コスト

 ZigBee の最大伝送速度は250kbps で, 最大1Mbps のBluetooth や最大480Mbps のUWB よりは低速ですが,その代わり,アルカリ電池で数カ月から数年駆動できると言われる低消費電力や低コストは大きな特色です.また,Bluetooth のプロファイルの難しさや無線LAN の接続性の難しさなど,インストールの困難さも解消しています. 




 図1 ZigBee ネットワークの構成.

図1 ZigBee ネットワークの構成.

 

メッシュネットワーク

 1 つのZigBee ネットワークには,最大65,000 個の端末と同時接続が可能です.メッシュ(網状)型ネットワークを構成でき,アクセスポイントを介さなくても複数の機器と通信・中継が可能です.ZigBee ルータがデータ中継を行うことで通信エリアを飛躍的に拡大でき,電波の届かない場所にある端末同士でも通信が可能です.また,通信経路が遮断された場合も別の経路を使って通信を継続できます. ZigBee のネットワークノードは,ネットワークを構築し, 制御する役割を担う「ZigBee コーディネータ」,ホップ(中継)機能を持つ「ZigBeeルータ」,スリープモードに対応した「ZigBee エンドデバイス」の3 つから構成されます(図1)


 

ビルオートメーションから民生まで幅広い用途

 無線PAN の先駆けとして端役から普及したBluetooth が携帯電話やカーナビ,ヘッドセット,家庭用ゲーム機のコントローラなどに利用されているのに対し,ZigBeeは,産業,医療,住宅などの幅広い分野での監視,管理やセンシングでの活用が期待されています.低消費電力と導入コストの低さをフルに活用し,照明制御,電気・ガス・水道メータの自動検針,煙やガスなどの検知,空調制御・管理,製造管理,医療用センシング,ホームセキュリティ/オートメーション,ビルセキュリティ/オートメーションといった用途への普及が見込まれています.データ通信量が少なく,接続数が多く必要なアプリケーションに非常に適しています.昨今注目されている省エネやエコロジーを考慮した装置に一役買うテクノロジーとなるでしょう.



 

 



ディジインターナショナル(株) リージョンマネージャ 江川将峰

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