そこは知っておきたい「最新 Windows Embedded 動向」
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2009年4月27日
2008 年 4 月に Windows Embeddedについての新しいリブランディングの発表が行われ,製品名やロゴが変更されました.また,各製品の対象となるマーケットや機器が明確になり,開発者が OS を選択する際に直感的に行えるようになりました.ここでは,WindowsEmbedded の最新動向を解説します.
今までは,Windows XP Embedded という製品とWindows Embedded CE という製品は同じ名称規則に基づいた命名になっていないため,同じブランドの,同じ事業部の製品だと思われないことがありました.新しいファミリー製品は以下の通りとなります.
●Windows Embedded CE(次バージョンからは Windows Embedded Compact)
●Windows Embedded Standard
●Windows Embedded Enterprise
●Windows Embedded NavReady
●Windows Embedded POSReady
そして今回 ESEC の会場で初めてファミリー製品としてデモを行うのが,Windows Embedded Serverとなります.
6 つの製品はそれぞれ次のような(表1)用途向けに用意されており,開発者は機能や用途,TCD(Total Costof Development;総開発コスト),TCO(Total Cost ofOwnership ;総保有コスト),サポートなどの観点を加味しながら,対象となる製品開発に最適な OS を選択することができます.まず,大きく二種類に分けることができ,汎用の OS と,用途が特定された OS です.汎用のOS としては,以下の三種類が用意されています.
●Windows Embedded CE
従来,Windows CE と呼ばれていたもので,現在のバージョン 6.0 からこの製品名となっています.いわゆるリアルタイム OS であり,割り込み処理はハードウェアに依存するものの,数~数十μ秒で割り込み処理スレッドの立ち上げが可能な性能を持っています.
●Windows Embedded Standard
従 来 Windows XP Embedded と呼ばれていた OS.Windows XP Professional をコンポーネントに細分化し,必要な機能やサービス,ドライバーなどを組み合わせて適切なサイズの OS として構築できます.
●Windows Embedded Enterprise
一般の PC 向けの XP/Vista を組み込み機器で使用するための専用ライセンス.OS そのものは PC 向けのものと同一です.また,専用 OS としては,以下の三種類があります.
●Windows Embedded NavReady
この一年ほどで日本の市場でも複数の機種が登場しているが,おもにフラッシュメモリーを記憶媒体に使用した小型で機能の少ない携帯型のカーナビゲーション端末,いわゆる PND 向けの専用 OS です.
●Windows Embedded POSReady
小売業向けのPoint of Service端末向けの専用 OS.POS for .NET という PoS端末向けの専用ミドルウェアを搭載しています.
●Windows Embedded Server
Windows Server 2003/2003 R2/2008 の組み込み機器向け専用ライセンス.OS そのものは一般の WindowsServer 製品と同一です.
表 1 Windows Embedded 製品ファミリー
ESEC の MS ブースでは,連日パートナーやユーザーによるテクニカルなプレゼンテーションが用意されております.詳しくは,http://www.windowsembedded.com/ja-jp/default.mspx を参照ください.
マイクロソフト(株) モバイル&エンベデッドデバイス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャ 松岡 正人