そこは知っておきたい「ARMマイコンのソフトウェア開発と開発統合環境」
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2009年4月27日
統合開発環境「μ Vision」
μ Vision IDE は,プロジェクト管理,作成ファシリティ,ソース・コード編集,プログラムのデバッグ,完全なシミュレーションを統一環境に結合します. μVision 開発プラットフォームは使いやすく,作業中の組み込みプログラムを素早く作成するのに役立ちます. μVision エディタとデバッガは,シームレスな組み込みプロジェクト開発環境として利用できる単一のアプリケーションに統合されています.
RealView C/C++ コンパイラ
ARM RealView コンパイルツールは,高いパフォーマンスを持つ ARM テクノロジをターゲットとしたコンパイラとして,業界で認められています.コード密度を最大に高められるように開発およびチューニングされたRealViewコンパイラは,生成されるコードサイズを最小限に抑え,結果的に製品コストを大幅に削減します.
MicroLib
MicroLib は,C 言語で記述された ARM ベースの組み込みアプリケーション用に高度に最適化されたライブラリです.RealViewコンパイルツールの C ライブラリと比較(図3)した場合,MicroLib では,多くの組み込みシステムのために必要なコードサイズが飛躍的に優位になっています.MicroLib と標準的な Cライブラリの主な違いは,以下のとおりです.
●MicroLib は,ARM の標準ライブラリより使用するコードとデータ・メモリが小さくなるよう最適化されている
●MicroLib は,オペレーティング・システムなしで使用できるよう設計されているが,OS や RTX などのRTOS と併用することも可能
図 3 C ライブラリと MicroLib の比較
RTX(リアルタイム・カーネル)~ロイヤリティ・フリ~ RTOS
RTX リアルタイム・カーネルは,ARM7,ARM9,Cortex-M3 の各デバイス向けのリアルタイム OS です.複数の機能およびタスクを同時に実行するプログラムを作成できます.複雑なプログラムの場合,組み込みアプリケーションで要求されるケースが多いです.
実際には,リアルタイム OS を使用せずにリアルタイム・プログラムを作成することも可能ですが(1 つまたは複数の機能,もしくはタスクをループ内で実行する),RTXのようなリアルタイム OS で解決されるスケジューリング,メンテナンス,タイミングの問題が数多くあります.
RTX を使用すると,CPU やメモリなどのシステムリソースをフレキシブルにスケジュールでき,またタスク間の通信方式も多様化できます.ARM 系列の幅広い製品で操作できるのは,使いやすく強力な RTOS です.カーネルについてはバイナリーでの提供となりますが,別製品「RL-ARM」ではカーネルをソース・コードで提供しております.
株式会社アックス 営業本部 佐藤孔世