人と組織の「イキイキ」を研究する ―― 人と組織の活性化研究会

組み込みネット編集部

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インタビュー 2007年7月17日

 仕事をする上で,モチベーション(動機付け)を高く保てるか,その仕事に充実感を持てるかといった要素は,仕事の内容や効率に大きな影響をもたらす.では,どのような環境が整っていれば,人は充実感を持って仕事に取り組めるのだろう? そのような「人のイキイキ」を研究している団体がある.神戸大学を拠点として活動している「人と組織の活性化(Activation of People and Organization)研究会」,通称APO研(アポケンと発音)である.

 同研究会は,イキイキと活躍している企業人に,自分が「最もイキイキとしていた時」と「最もイキイキとしていなかった時」について語ってもらい,それぞれの事例の要因を分析するなどの研究を進めてきた(この研究結果は,「なぜあの人は『イキイキ』としているのか」(1)という書籍にまとめられている).また,神戸大学において月に1回の定例会を開催し,働き方やモチベーション,人事制度などについて議論している(写真1)

 このようなユニークな取り組みはどのようにして生まれたのだろう? 同研究会の発起人メンバの一人である,キャリアステージ 代表取締役の石見一女氏に話を聞いた.

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[写真1] 人と組織の活性化研究会(APO研)の定例会の様子
中央右の女性が,同研究会の発起人であるキャリアステージ 代表取締役の石見一女氏.

――どのようなきっかけで,大学と企業のメンバが集まって「イキイキ」について研究を始めたのでしょうか?

石見氏:この研究会は,「今のビジネスマンは元気がない.どうすれば元気になるのか」という問題意識から始まっています.当初は企業のメンバだけで議論していたのですが,それでは個々の企業の「お悩み相談会」のようになってしまっていました.大学と連携することでもっと高い視点から問題を捉えられるのではないかと考え,神戸大学の加護野忠男先生にお話ししたところご快諾をいただいて,今のような形になっています.

――研究会のメンバの皆さんは,在籍されて長いのですか?

石見氏:発足当時からのメンバもそれなりにいますが,人づてに聞いて興味を持って集まってきたメンバも多く,全体としてはそれなりに入れ替わっています.

 ちなみに,この研究会に参加するためには,研究会のメンバによる推薦を必要条件とさせていただいています.人のつながりでひっそりと活動している研究会です.

――定例会は平日の夕方から始まるのですね.

石見氏:はい.最初に夕食代わりのお弁当を食べながらざっくばらんに話をして,その後に議論を始めます.毎回,メンバや外部の方にテーマに基づいて講演してもらい,それに対して感想や意見を交換する形で進めています.

――どのようなテーマについて議論するのですか?

石見氏:ここ3カ月のテーマは,「若者に見る愛社精神」,「いきいきと働く人と長期休業者の違いを生む要因について」,「人事部って必要?」でした(詳しくは研究会活動の記録を参照のこと).メンバの方々が本音で率直な議論をされるので,毎回いろいろな刺激を受けています.「ここだけの話」ということで自由に議論しているので,残念ながら内容の詳細についてはお話しできないのですが....ご興味を持たれた方には,ぜひ参加していただければと思います.


参考・引用*文献
 (1) 人と組織の活性化研究会;なぜあの人は「イキイキ」としているのか ――働く仲間と考えた「モチベーション」「ストレス」の正体,プレジデント社,2006年11月.

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