Cベース設計とは? 導入の課題は? ――人手による介入が必須,完全自動合成は幻想

藤田昌宏

tag: 半導体

技術解説 2003年3月 3日

 また,新たなASICやASSPの開発開始数について,年度別に統計を取ったものを見てみると,過去5年くらい,新規開発開始数が減少しており,今後も半導体市況の回復とは関係なく減少することが予想されています.これは,システムLSIの開発コストの増加によって,多品種の設計を行うことが難しくなっている現実を反映しています.

 その一方で,システムLSIの需要自体は増大の一途をたどっているわけですから,結果的に言えることは,一つのシステムLSIが何らかの方法で「プログラマブル」になってきており,複数の用途に使えるくふうがなされてきているということです.言い換えると,システムLSIはよりソフトウェア重視になってきているとも言えます.

 一方,従来からのハードウェア記述言語に習熟しており,これからもRTL(register transfer level;レジスタ転送レベル)以下の設計しか行わないが,その代わり,きわめて高性能なハードウェアを信頼性高く設計できる信のある方は,今のVerilog HDL,VHDLのみを利用して設計技術を向上させていくのも良い方向だと思います.これはちょうど,今のアナログ回路設計者と同じ位置づけであり,近い将来,貴重な人材になることはまちがいありません.

 逆に,システム全体を見ることができるような設計者になるには,どうしてもソフトウェア重視の設計環境を使う必要があります.そのような状況では,Cベース設計は必須の技術になると考えられます(図1)

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〔図1〕HDL設計とCベース設計の役割分担
今後はシステム全体を見ることができ,ソフトウェア重視の設計環境を使いこなすLSI設計者が必要になる.同時に,RTL以下の設計しか行わないが,その代わり,きわめて高性能なハードウェアを信頼性高く設計できる技術者も貴重な人材になる.

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