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『E検定』レベル3の問題例(電子回路)

2012年1月31日

 利得帯域幅積GBW=10[MHz]でバッファの構成にしても十分位相余裕のあるOPアンプを使い,以下の回路のように容量負荷CLを接続したところ,2ndポールが1[MHz]に発生し,バッファではリンギングが大きくなった.

 対策として正負入力間に抵抗RAを接続してリンギングを抑えた.
 出来るだけ広帯域にて矩形波入力時のオーバーシュートが25%以下となる抵抗値は何[kΩ]か.
 但し,接続したCは周波数特性がフラットだとする.

 

 

ア 約0.1    イ 約1    ウ 約10    エ 約51

 

 


【答】 イ

 

【解説】

 図1RAを求めていきます.

 この回路でのノイズゲインをANとすると以下の式にて表せます.

 このOPアンプのGB積は10[MHz]なので,2ndポールが1[MHz]にあるということは,10/1で開ループ特性上での10[倍]のゲインを示しています.ノイズゲインを上げて開ループ特性と同じに設定にすれば,位相余裕は概ね45[°]となるのでリンギングを押さえることが出来,帯域も広く設定できます.

 (位相余裕45[°]にてオーバーシュートは20[%]程度)

 AN=10[倍]となるRAを以下の式(式1を変形したもの)にて求めます.

 この時,帯域は1[MHz]以上となります.

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