MeeGoらしいアプリを作ってみる(第1回)
Smartphone Worldタブレット・ボード情報本誌の補足情報 2011年9月 9日
MeeGoアプリ開発モニターに応募いただいた越智 佳景さんの第1回レポートです。
MeeGoらしいアプリを作りたいとのこと。今後の展開に期待です。
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MeeGoらしいアプリを作ってみる(第1回)
第1回 MeeGoインストール&ファーストインプレッション
越智 佳景
1.MeeGo端末到着
待ちに待ったMeeGo端末が8月6日に到着しました。ハードウェアはONKYO TW317A5(以下TW317)というタブレットPCです。
TW317にはWindows7 Home Premium 32bitがプリインストールされています。そこでまずはWindowsでの使用感を試してみました。
電源スイッチは裏面右上に配置され、3秒程度の長押しで電源が入ります。起動後、Windows7のセットアップが開始されるので次へ次へと進みます。すべての設定が完了すると利用可能となります。
タブレット特有の機能としては画面の回転が挙げられます。加速度センサ内蔵のため本体の回転に連動します。ブラウジングする時や、PDF文書を読むときには縦型で用いるとかなり便利です。
しかし、切り替えが多少もたつくので、気になる方はプリインストールソフトの「Millennium3.2」を用いて自動回転をOFFすると良いかもしれません。Millennium3.2は「スタートメニュー→すべてのプログラム」ないしタスクトレイ内のアイコンから起動できます。
2.MeeGoのインストール
MeeGoはほぼ毎週Buildされています。最新版をダウンロードするか安定版をダウンロードするか迷うところですが、安定版も大して安定していない(?)ので最新版を入れてみました(8月28日現在)。
2.1.ISOファイルのダウンロード
以下のURLより.imgファイルをダウンロードします。
2.2.イメージファイル書き込み
ダウンロードしたイメージファイルをUSBメモリに書き込みます。私の作業マシンはWindows7なので、Win32 Disk Imagerというソフトを利用しました。フォルダアイコンをクリックしてimgファイルを開き、Deviceを選択、最後にWriteします。USBメモリは中身が消えるので注意が必要です。
2.3.TW317起動
USBメモリを挿入し、電源を投入します。ONKYOのロゴとともに「Setup」「BBS」という文字が表示されます。「Setup」をタッチするとBIOSメニューが表示され、「BBS」をタッチするとブートデバイス一覧が表示されます。
さて、USBメモリを選択しようとしますが・・・ここではタッチが使えません。USBキーボードをつないでも良いのですが、TW317は左上に接触センサのボタン(以下、ホットキー)が搭載されているのでこれを使ってみましょう。チョンチョンと指で触れるとメニューのハイライトがインクリメントされます(Tabキー相当)。また、しばらく触れているとその項目が選択されます(Enter相当)。
2.4.MeeGoインストール
USBメモリからブートイメージが読み込まれ始め、コンソールが表示されます。しばらく待つと、かわいいMeeGoのキャラがフルスクリーンでお出迎えしてくれます。右下の「>」ボタンをタッチし、先に進みましょう。ここからはタッチ機能が利用できます。
設定項目は「言語」「パーティション」の2つととてもシンプルです。パーティション設定は「選択したドライブ上すべてのパティションを削除してデフォルトのレイアウトを作成します」を選択すると簡単です。
さて、設定が完了するとSSDがフォーマットされ、MeeGoイメージの転送が始まります。転送は4、5分程度で完了し、「おめでとう」画面が表示されればインストール終了です。画面の指示通り「閉じる」ボタンをタッチし、USBメモリを抜きます。
3.MeeGo起動!
再起動するとMeeGoが立ち上がってきます。時計が表示されている画面を指でやさしく下から上になぞるとホームスクリーンが表示されます。ホームスクリーン画面には「My Tablet」「Friends」「Music」「Photos」「Video」「Web」という縦長のパネルが横方向に並んでいます。この中に閲覧履歴等が時系列で蓄積されていきます。
さらにホットキーをタッチすると画面が暗転し、中央にスイッチャが表示されます。右側のタイル状のアイコンをタッチするとAndoroid等でもおなじみのアプリアイコンがずらっと並んだランチャが表示されます。
4.Wi-Fiの設定
ホームスクリーンのMy Tabletパネル内にある「Wi-Fi」をタッチします。さらに、ポップアップしたフライアウト内Wi-Fi Settingボタンをタッチします。そしてWi-Fiアクセスポイント一覧から選んで接続すればOKです。ステルス設定等で見えない場合はAdd Networkをタッチして入力します。ちなみに、セキュリティタイプは「WPA」「WPA2」「WEP」から選択可能です。
5.アプリのダウンロード前の準備
5.1.AppUp Developer Programアカウント作成
Androidマーケットのように、IntelもAppUpセンターでMeeGo用アプリを提供しています。しかし、初期状態ではAppUpからアプリをダウンロードするソフト(以下、AppUp Center)がインストールされていません。そこで、rpmパッケージを入手して手動でインストールします。
AppUp Centerをダウンロードするには下記サイトでAppUp Developer Programのアカウントを作成します。
http://appdeveloper.intel.com/en-us/meego
5.2.AppUp Centerダウンロード
ログイン後、ページ中程の「SDK、Downloads、Tools」タブをクリックし「2 Test」というブロック内の「AppUp center 2.5 Beta for MeeGo Tablet」をダウンロードします。
com.intel.appup-tablet-2.5.22438.27-1.1.i586.rpmがダウンロードされるのでFAT32でフォーマットされたUSBメモリに入れます。
5.3.AppUp Centerインストール
USBメモリを挿入し、MeeGo上で「Terminal」を起動します。残念ながらソフトウェアキーボードが使えないのでUSBキーボードを利用しいます。
rpmパッケージをインストールするためにrootになります。パスワードは「meego」です
$ su -
Password:
次にUSBメモリをマウントします。
# mount -t vfat /dev/sdb1 /media
/mediaディレクトリに移動してみます。
# cd /media
# ls
com.intel.appup-tablet-2.5.22438.27-1.1-i586.rpm
無事にrpmファイルが見えているのでインストールします。
# rpm -ihv com.intel.appup-tablet-2.5.22438.27-1.1-i586.rpm
Preparing... ############################### [100%]
1:com.intel.appup-tablet ############################### [100%]
ホットキーを2回タッチし、ランチャを確認します。「AppUp(SM) Center」が表示されていればインストール成功です。
6.アプリのダウンロード
Wi-Fiに接続後、ランチャからAppUp Centerを起動します。最初に右上のLoginボタンをタッチしてログインします。先ほどAppUp Developer Programで作成したアカウントでログインできるかと思ったのですが、できなかったのでここで再びアカウントを作成しました。
ログインすると幾つかアプリが登録されているのがわかります。しかし、私の環境では起動するものがあまりありませんでした。そこで、とりあえず起動確認ができた「Ancient Pond」を例に説明します。
AppUp Center右上に検索窓に「Ancient Pond」と入力します。次に検索結果のアイコンをクリックすると詳細情報が表示され、ダウンロードが開始します。そのままインストールまで自動で行われます。
ランチャ画面に「Ancient Pond」が表示されているので、タッチして起動します。
7.MeeGoを触ってみた感想
MeeGoはバグが存在したり動作が不安定だったりアプリが少なかったりと、まだまだ発展途上なイメージは拭えません。しかし、基本的な操作はそれなりに作りこまれており、期待が持てるOSだと感じました。雰囲気はAndroidに似ていますが、特にホームスクリーンがMeeGoらしい特徴だと思います。
8.今後の予定
次回からは作業用PC上でのMeeGo開発環境の作成、MeeGo端末上での開発環境準備、そしてプログラミングへと進みます。
MeeGoではQtを用いてアプリを開発します。私は今回はじめてQtを触るため、MeeGoらしいアプリを設計する以前にQtのお勉強からのスタートとなります。
そこで、まずはMeeGoチュートリアルをなぞる形でアプリの開発をスタートさせます。次にQtサンプルにMeeGo APIを適用することでMeeGoらしいアプリとは何かを模索してく予定です。
特にMeeGo APIでは加速度センサ情報を取得するAPIが定義されているため、これを効果的に用いることが出来ればと目論んでいます。
つづく
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