さて,そろそろ組み込み技術関連の展示の紹介に移りましょう.これがどういう意味かおわかりでしょうか? これは,「酒が飲めるぞ」です.アメリカ大陸を放浪していた自由人たちが,連絡手段として残した落書き,"HOBO Sign"と呼ばれるものだそうです. ほかにも,次のようなHOBO Signがあります. これと同じようなことを現代でもできないか,と考えたのが,デンソーと岐阜県大垣市にある情報科学芸術大学院大学です.HOBOシステムと名づけ,共同研究を進めています. 具体的には,「同じ趣味を持った人や,同じ年代の人など,ある特定の人(仲間)に対してだけ,自分の落書きをそこに残す.見る人は,その落書きが残された場所に実際に行ってはじめて,その落書きを見ることができる」というしくみを考えています.実用のためというより,遊び感覚の新しいコミュニケーションを目指しているとのことです. 落書きを見る/残すための小道具.腕時計タイプ,ペン・タイプなど 誰でも情報として検索できる,というものではなく,特定の人たちだけが,その場に行ってはじめてその情報を得られる,というところがポイント PDAにGPS受信機とPHSを取り付けたものを使って,実証実験を大垣市内やデンソーの周辺などで行っているそうです.ただし,「自分は絵がへただから…」と感じている人は,なかなか書き残してくれないとか. ところでこのシステム,ドロボーさんに悪用されるとたいへんなことになりますね….「この家は留守だ」,「この家は防犯が甘い」など.アリババと40人の盗賊もびっくり?!
さて,ついでにもう一つ.PDAを利用したカー・ナビゲーション・システムです.GPS受信機,車速センサ,ジャイロを内蔵した「T-Station」と接続し,PDAに地図ソフトウェアをインストールすれば,はい,ハンディ・カーナビのできあがりです.
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