今回のお茶受け:何はともあれ地球博
【愛知万博(愛・地球博)】
<<コンナトコロニ組み込み技術:第35回>>
ある日のことです.出社すると,わたしの机の上にこのようなものが置いてありました(写真1).
[写真1] 「愛・地球博冒険セット」付きの公式ガイドブック
会場図を印刷したレジャー・シートとコンパスをセットにした,ジュニア向けの公式ガイドブック(発行:小学館).
もしやこれは,「日ごろよくがんばっているから,息抜きに愛知万博(正式名称は「2005年日本国際博覧会」,愛称は「愛・地球博」)にでも行ってきなさい」というありがたい心づかい? きっと,そうに違いありません!
そうとわかれば(?),さっそく行ってきま〜す!
●まずはのんびり,外国館めぐり
愛知万博(愛・地球博)は新聞やテレビでもあれこれ紹介されていますし,珍しいもの好き,話題好きのお国柄を考え合わせると,かなり混雑しそうな気がします.
行列に並ぶのが嫌いなわたしは,できるだけ空いている日に行こうと考えて,春休みが終わったばかりの4月上旬(平日)に行くことにしました.
それでも,開場前のゲートは長蛇の列です…(写真2).
[写真2] 開場直前の西ゲート
主催者の発表によると,この日(2005年4月6日)の9:30開場時の待機来場者数は約11,900人(うち西ゲートは約3,500人).ほかの日に比べると少ないほうなのだが,詰めかけている人の数に圧倒された.
開場と同時に人がなだれこみます.「走らないでください.落ち着いて,ゆっくり進んでください」というアナウンスが流れる中,さてどこへ行きましょう?
まぁ,まだ1日は始まったばかりです.事前情報によると,長久手会場の北側にある「企業パビリオンゾーン」は人が殺到して混み合っているらしいので,まずはのんびりと,長久手会場の南側から回ってみましょう(写真3).外国館ゾーン「グローバル・コモン」なんて,楽しそうじゃないですか.
[写真3] 会場の地図
これは先ほど紹介した「愛・地球博冒険セット」のレジャー・シートに印刷されている地図である.万博会場でもらえる会場案内マップにはもっと細かい情報が載っている.
最初に入ったのは,フランス館(グローバル・コモン3内)です.四方の壁や天井全体がスクリーンになっている部屋があり(写真4),「未来の先に未来はあるか?」と題した映像を上映していました.そう言えば,愛知万博のメイン・テーマは「自然の叡智 ――自然の「しくみ」と調和した新しい文明の再構築」でしたっけ.
[写真4] フランス館内のシアター(上映中)
大量消費社会に警鐘を鳴らす,実に啓蒙的な内容の映像である.マンモスやパフォーマンス・ロボットばかりに騒いでいてはいけないな,と反省.
フランス館の隣にあるのは,ドイツ館です.ここは「水滴形の乗り物に乗って館内を巡る」のが評判になっており,外国館でいちばん人気のパビリオンだそうです(写真5).
乗り物もさることながら,展示そのものも興味深い内容でした.「人間が自然界から何を学んだか」という生物工学(バイオニクス)にテーマを絞り,鳥の翼を参考に開発した飛行機,水の抵抗をあまり受けないサメの皮膚を参考に開発した水着などについて,わかりやすく紹介,展示していました.
[写真5] ドイツ館の水滴形の乗り物「Experience Drop」
確かに,乗り物も遊園地みたいでおもしろかった.
そのほか,それぞれの国がくふうをこらして展示していました.環境にちなんだ展示を見せる国,自国の文化や産業,風物のアピールに徹する国など,いろいろです.例えば,クロアチア館(グローバル・コモン3内)では同国の資源の一つである塩田(えんでん)にちなんだ展示を行っていました.エジプト館(グローバル・コモン5内)ではロゼッタ・ストーンやツタンカーメンの墓などの文化財のレプリカを,キューバ館(グローバル・コモン2内)では革命の指導者であるチェ・ゲバラの業績を紹介していました.
外国館ゾーン(グローバル・コモン)は六つもあり,海外120ヵ国と四つの国際機関が出展しています.全部を回りきれないのが残念です.
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