今月のお茶受け:発想の赴くままに
【LEGO MINDSTORMS体験(3)】
<<コンナトコロニ組み込み技術:第32回>>
さて,これまで2回にわたってご紹介してきたLEGO MINDSTORMSですが,貸し出し期間が今月で終わってしまうので,残念ながら今回が最後のご紹介となります.これまでの成果を生かして,あっと驚くお楽しみをみなさんにお届けできるよう,がんばります!
ここでわたしが手にしているのは,例のLEGOの組み立てマニュアルです.ここには,サンプル・プログラムで使用したロボットのほか,さまざまな応用に使えそうなロボット例が,組み立てかたの説明つきで紹介されています(ただし,載っているのは図解のみで,何に使えるのかはほとんど説明されていない).
●チャレンジその1:クレーン車もどき(?)
まずわたしが挑戦したのは,クレーン車に似た形をしたロボットです.ここでさっそく,わたしはマニュアルのありがたみを実感することになりました.例えば,写真1のような部品があります.これで,何が作れると思いますか?
[写真1] いくつかの部品を集めると…
円盤形のギアが1個,ネジを切ったボルトの軸のようなギアが1個,軸が2本,黄色い箱が1個.さて?
答えは,このように組み立てるのです(写真2).すると,下側の軸を回転させたとき,ギアが回転し,上側にある直角方向の軸が回転します.なるほど!
[写真2] 回転方向を90度変えて動力を伝える
回転方向の変換だけではない.回転数の比率もかなり違うので,それだけ上側の軸を強い力で動かせることになる.逆に,上側の軸(またはギア)を回転させて下側の軸を動かすことはかなり難しい.
こうして完成したロボットが写真3です.モータで軸を回転させることにより,アームが上下し,ロボットの口(?)がパクパク動くようになっています.
[写真3] チャレンジその1のロボットが完成
ちょっと恐竜みたいな愛きょうのある顔をしている.ちなみに歯の部分は,おまけでつけてみた.
それではさっそく動かしてみましょう.とりあえず,モータとマイコン(RCX)を接続して,どのような動きをするのかを確認してみます.プログラム開始! おっと! アームが軸にひっかかり,ロボットが壊れてしまいました(写真4).
[写真4] さっそく壊れた
「マニュアル通りだから正常に動くだろう」と思い込んだのが運の尽き…?
やはり,実行前にひととおり動きを確認しておくべきでした(特にメカがからむ場合,「とりあえず走らせてみてデバッグ」ではいけない).反省しながら,モータを外し,手で軸を回して確認すると,軸が飛び出しすぎていました.
軸を引っ込めると,とりあえず無事に回りますが,アームの先の口の部分が床にぶつかっています.後で,台座の高さを上げることにしましょう.
また,口の部分でものをはさめるかどうか試してみましたが,うまくいきません(写真5).口をしっかり閉じるための機構を取り付ければよいのでしょうが,それはまた次の課題としました.
[写真5] ただいまテスト中
地道なテストのたいせつさを再確認.
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