今月のお茶受け:今日の反省が明日を生む?
【LEGO MINDSTORMS体験(2)】
<<コンナトコロニ組み込み技術:第31回>>
前回は惨敗だったLEGO MINDSTORMS体験.今度こそ,きちんとマニュアルを読んで,基本に忠実にがんばるぞ! とわたしは決意しました.数日おいて気を取り直してから,もう一度,いちばんかんたんなプログラム(Pilot 1)から順にチャレンジしてみます.
すると,今度はちゃんとプログラムがダウンロードでき,意図したように動作するではありませんか! 前回は「五つのプログラムをダウンロードします」などと表示されてあたふたしましたが,改めて試してみると,チュートリアル・プログラムで説明していた通り,プログラムは一つずつダウンロードされます.いったい,前回のわたしはどこでどう操作したのでしょう?
まぁ,こういうことは,わたしの経験上はよくあることなので(!),あまり気にせずに作業を進めます(無反省).
●不細工なロボット
第1段階のプログラム(Pilot 1)と第2段階のプログラム(Pilot 2)では,ロボット(後輪2輪で走る車のような形状をしている)の両輪をモータで駆動するだけなので,前回完成させたロボットがそのまま使えます.第3段階のプログラム(Pilot 3)はタッチ・センサを使うのですが,これも「前進し,タッチ・センサに触れたら後退する」というプログラムなので,タッチ・センサをロボットの前方につけて,センサの突起を指で押してやればうまく動作します(ただし突起が小さいため,壁にぶつかったときに突起が押し込まれず,前進し続けることがある.プログラムは問題ないようだから,まぁいいか…).
問題は,第4段階のプログラム(Pilot 4)です.これは光センサを使用するのですが,光センサを下向きにつけて利用するため,ブロックの角度を90度変換してくれるようなしくみが必要です.こうかな? と勘を頼りに作成したのが,写真1のロボットです.
[写真1] 勘を頼りに作ったロボット
なんだかとてつもなく不細工….おまけに,ロボットの前方にセンサを取り付けると赤外線ダウンロードのじゃまになりそうなので,苦肉の策として後方に取り付けてある.
どうもうまくありません.そこで,もう一度チュートリアル・プログラム「Training Missions」を観てみることにしました.すると,「ロボットを組み立てていない人は,まずPDFファイルを見てロボットを作ってね」と(英語で)言っているではありませんか.そうだ,PDFファイルを見よう!
そう言えば,LEGO MINDSTORMSのキットを借りたときに,いっしょに入手したPDFファイル「ロボラボ ご利用の手引き」がありました(写真2).この中に入っているのかな?
[写真2] ROBOLABのマニュアル(PDF版)があった
「Using ROBOLAB.pdf」〜「Using ROBOLAB 4.pdf」という四つのファイルが入っている.このファイルは,ROBOLABのマニュアル(本来は印刷物だったのだろう)を4分割して別ファイルにしたもののようだ.日本語化されているが,一部不審な点もある.「内臓プログラム」とか,索引で「電池」がBの欄(Battery?)に入っているとか….
ところが,このROBOLABのマニュアルには,ロボットの組み立てについては書いてありません.それでは,いったいどこに?
…そう言えば,前回も使った,レゴ・ブロックの組み立て用テキストがあったではありませんか(実は,これに気づくまでにけっこう時間がかかった).あわててテキストを確認すると,文章による説明こそありませんが,確かに,Pilot 1〜4で使えるロボットの組み立てかたが載っています.さっそく作ってみましょう(写真3).
[写真3] 部品が細かくていろいろな種類があるので注意
レゴ・ブロックの部品はいろいろある.同じ軸でも,長さが5ポチ(注:レゴのポチポチの数が,部品のサイズの単位になっているようだ)のもの,6ポチのもの,8ポチのもの,12ポチのものなどさまざまだ.軸をつぎ足す部品やナットのような部品にもバリエーションがある.だから,よく部品を整理して作業すると効率が良いようだ.整理好きのわたしは,部品が入っていた容器の仕切りだけではもの足らず,ほかに空き缶を探してきて,そこにも分けて入れることにした.
今度こそ見本通りのスマートなロボットが完成しました(写真4).
[写真4] Pilot 4で使うLEDセンサつきのロボット
ロボットの両脇に支え棒を取り付け,その先に,タッチ・センサと光センサのどちらも取り付けられるような台を設けている.この構造,自分ひとりではとても考えつけない! やっぱりマニュアルってたいせつね,とあらためて実感.
さて,実行してみると,Pilot 4のプログラムも無事に動作しました! すばらしい!(写真5)
[写真5] Pilot 4を実行しているところ
前回のトラブルがあったからこそ,こんなに成功がうれしい….
|