それは,電気推進システムの提案でした(写真12).従来の船はディーゼル・エンジンによって推進し,また船の中でまかなう電気はエンジン(主機関)と直結した発電機で作り出していますが,これを電気推進に変えようというものです.ヨーロッパでは,すでに客船から漁船まで電気推進船が普及しているそうです.
[写真12] 従来船と電気推進船の比較
従来の船では,後方に板状のかじがあった.また,エンジンからプロペラまで軸を直結しており,固定的な配置になっていた.電気推進であれば,軸は不要になる.また,この電気推進船のように360度回転できるポッド型推進システムを利用すれば,かじは不要になる.
聞くところによると,ポッド型推進システムが考案されたのは1980年代半ばで,船舶に初めて搭載されたのは1990年だそうです(参考:Overseas Cruise ManiacsのコラムNo.9「ポッド推進システム」).
電気推進システムは,振動や騒音がディーゼル・エンジンより少なくなり,配電盤やプロペラを複数設置することによって,万が一どれかが故障した際に船の運航を続けられます.しかし,エネルギーの伝達効率はディーゼル・エンジンに比べて低下してしまいます(写真13).ヤンマーは,船形の改善や推進効率の向上により,このマイナス分をカバーできると説明していました.
[写真13] 電気推進システムの伝達効率
ディーゼル・エンジンでは95〜97%だったのが,電気推進システムでは85〜87%となる.
さぁ今回は,実にまっとうに取材しました.もしかしてこれ,組み込めないネットじゃなくて組み込みネットのレポートとして採用してもらえたりとか……?
「“〜らしい”とか“〜だそうだ”とか言ってる時点で,ボツ.組み込みネットに載せたいのなら,内容を理解できるようになるまで,きちんと取材してこい!」(編集長)
…焦らず急がず,自分のペースで,これからもがんばります…(涙).
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