今月のお茶受け:リッチでおしゃれなエコロジー
【エコプロダクツ2003】
<<コンナトコロニ組み込み技術:第19回>>
今回は,環境負荷の少ない製品の展示会「エコプロダクツ2003(写真1)」に取材に行くことになりました.でも,なんとなく気乗りがしません.だって,ハンカチを持ち歩け(洗面所のタオル・ペーパを使うな)とか,机の上をティッシュ・ペーパでふくな(ぞうきんでふけ)とか,割りばしを使うなとか,そういうことをあらためて言われるのかと思うと….
自宅では,わたしだって机をふくのにはぞうきんや台ふきを使いますし,洗面所には布のタオルを下げています.スーパ・マーケットに行くときも買い物袋を持参します(ポイントがつくから).まぁ,その原動力はエコ意識というよりも,「もったいない感覚(節約意識)」と言えるでしょう.
会社では,手近にぞうきんもないし,自分の財布も痛まないので,安易にティッシュ・ペーパやタオル・ペーパを使ってしまいます.
わたしにとっての“エコ”の印象は,「たいせつだと頭ではわかっているけれど,実践するには努力が必要なこと」――.そう,例えば,
「節約,リサイクル」=清貧,地味
「生産/消費活動の抑制」=身動きがとりづらい,つまらない
という印象があるのです.
今回はそんな自分を反省するための取材なのかと思うと,足取りも重くなるわけです.
「あ,エコロジー(ecology)の意味,わかってる? 節約のことじゃないよ.環境保全のことだよ」(編集長)
そうですよね.例えば普通紙より割高でも再生紙を使え,ってなことですよね….コストよりエコを実践するには意識の高さが必要ですよね.頭ではわかっていないこともないんですけど….
[写真1] エコプロダクツ2003
多くの来場者が訪れていた.
●惜しみなく奪う日本かな
会場の中央入口には,主催者によるテーマ展示「エコデザインで豊かな未来を創造する」が掲げてあります.それによると,日本人が生活のために利用している自然(土地,森林,耕地,海洋など)の量(1人あたり)は,日本国内でまかなえる自然の量(1人あたり)の7倍にもなるそうです(写真2).
[写真2] エコロジカル・フットプリント
エコロジカル・フットプリントとは,人間が生活するためにどれだけの自然を必要としているか(1人あたり)を表したもの.世界全体で見たエコロジカル・フットプリントは,1961年から1999年の間に80%増加しており,すでに地球の限界を20%以上も上回っているとのこと.
そして,製品を作るのに必要とした資源の量(採掘,精製,輸送,加工など,製品を製造するすべての段階で関わる資源の総量)を計算すると,歯ブラシ1本が1.5kg,携帯電話が75kg,パソコンともなると1,500kgもの資源を消費していることになるそうです(写真3).
[写真3] エコロジカル・リュックサック
エコロジカル・リュックサックとは,製品を作るのに必要とした資源の量を,製品が背負ったリュックサックに例えたもの.軽薄短小が売りの携帯電話も72kgを背負っているとは….ずっしりと重みを感じる.
…心もずっしりと重くなったところで,あれ? あちらにあるのは?
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