今月のお茶受け:歴史はここから始まった
【汐留・旧新橋停車場】
<<コンナトコロニ組み込み技術:第13回>>
丸ビルも六本木ヒルズも話題をさらったけれど,今いちばん開発が進んでいる地域と言えば,やはり汐留(「汐留シオサイト」)ではないでしょうか(写真1).山手線に隣接する広大な区画に,にょきにょきと立ち並びつつある巨大ビル群.小心者のわたしなどは,「人間の力」を恐ろしく感じてしまう今日このごろです.
さて,そんな中にも,往時をしのばせる建物があります.日本の鉄道が開業したのは1872(明治5)年のことですが,その起点となった駅「旧新橋停車場」がここ汐留の中にあるのです.開業当時と同じ場所に同じ外観で再現された,と聞いたわたしは,さっそく取材に向かいました.
明治時代の建築物なら,きっと当時の西洋建築を取り入れた美しい建物なのではないでしょうか….楽しみです.
[写真1] 新橋駅から見えるこのビル群は,汐留シオサイトのごく一角にすぎない.広大な区画が今まさに開発されている最中である.
●これが旧新橋停車場だ
旧新橋停車場は,最寄り駅であるJR新橋駅から徒歩5分ほど.汐留シオサイトのいちばん北東に位置します.
地下通路と汐留シティセンターを経由して広場に着くと,いきなり目前に現れるのはプラットホーム(写真2).鉄道建設の起点を示す「0マイル標識」もプラットホームの脇に再現してあります(写真3).
[写真2] 再現されたプラットホーム(25m分のみ).ホームの屋根はつけていないが,当時は屋根があったことを想像できるように柱をデザインしたという.プラットホームの奥にあるのが停車場の駅舎である.
[写真3] 線路の起点(写真右)に建っているのが,再現された0マイル標識である.ちょっとピカピカすぎるような気もするが….
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