今回のお茶受け:ロードレーサにはまる
<<組み込めないインタビュー:第9回>>
組み込みシステム開発の業界でしごとをされている方々にお話をうかがい,強引にネタを提供していただく「組み込めないインタビュー」の第9回です.今回登場していただくのは,画像処理関連システムやLSIの開発に携わられている鈴木昌治さんです.
[写真1] 鈴木昌治さんのベース・ギター
――ふだんの休日は,どのようにすごされていますか?
鈴木 趣味に時間を使ったり,子どもと遊んだりすることが多いです.趣味は自転車,それからベースを弾くことです.
――自転車は,どのくらいの頻度で乗りますか?
鈴木 朝起きて毎日1時間くらい,近くの山に向かってこいで帰ってくるというのを日課にしています.距離にすると,1日25kmくらいです.それから,月に1回くらい,遠出したりもします.
――どんな自転車に乗っているんですか?
鈴木 ずっとマウンテンバイクに乗っていたんですが,去年の3月にロードレーサを手に入れまして,最近はそれにはまっています.
[写真2] 鈴木さんの愛車
鈴木さんの愛車の全景.鈴木さんのご自宅は新潟県上越市にある.自転車の左側に見えている板は雪囲い.隙間から雪がのぞいている.軒下をこのように板で囲って,雪で埋もれないようにしている.ここに洗濯物を干したりもするが,鈴木さんの練習場でもある.
――何が違うんですか?
鈴木 マウンテンバイクは舗装されていないところを走るのが中心だと思います.そのため,地面に足がつけやすかったり,前後輪にサスペンションが付いていたり,タイヤが太かったり,フレームが丈夫だったりします.
ロードレーサは舗装路を走ることを前提にした自転車で,スピードを出せるように軽量化が図られています.ハンドルはドロップハンドルです.ママチャリよりひと回り大きいホイールで,細いタイヤをはいています.
――毎朝1時間というのは,よく続きますね.
鈴木 それくらいしないと速くなれないんです.じつは年に1,2回レースに出ています.地方に住んでいるので,それが自転車仲間と会う数少ない機会になってまして….そこで恥をかきたくないので,毎朝走ってます.
[写真3] 速度を測る
上がサイクル・コンピュータ.速度やペダルの回転数,走行距離を計測する.下のように自転車に取り付ける.
――どのようなレースに出られていますか?
鈴木 長野県の上高地にある乗鞍岳から岐阜県へ抜ける乗鞍スカイラインをひたすら登るというレース(全日本マウンテンサイクリングin乗鞍)がありまして,これは十数年間,毎年参加しています.この大会がいちばん仲間の集まりもいいので,毎年出ています.
――タイムはどうですか?
鈴木 優勝する人は1時間を切りますが,私は1時間40分くらいかかります.仲間とタイムを競っていて,例えば酒の席で目標をかかげて,次の大会でその目標をクリアできないとみんなにおごる,ということもあります.
――鈴木さんは,なぜ,自転車に乗っているのでしょう.
鈴木 スピードもありますが,それよりも,道を走るのが楽しいからでしょうね.風を感じられます.山に向かって走っていると,いろいろなものに出くわします.去年はタヌキとイタチとリスには会いました.私が住んでいる新潟県は米どころなので,田んぼの風景に季節を感じたりします.
――失敗談はありますか?
鈴木 いちばんよくあるのは落車(ころぶこと)です.雨ですべったり,スピードの出し過ぎで曲がりきれなかったり.それから,マウンテンバイクで山の尾根を勢いよく走っていたときに,崩れて50cmくらい道がなくなっているところに突っ込んだことがあります.「まずい,落ちる!」と思ったんですが,直前に大きな石がありまして,それにあたって山側に飛ばされたので落ちずに済みました.あと,牧場の横を走っていたら,牛に追いかけられたりとか(笑).
――ご家族といっしょに自転車に乗ったりされないんですか?
鈴木 子どもが生まれる前に,一度,女房をつれて行ったんことがあります.自分がふだん走っている山のほうへ連れて行ったんですが,とてもつらかったようです.真夏の熱い日でした.峠のところで待っていたら,泣きそうな顔で登ってきまして,その場で山に向かって自転車を放り投げました.「いいかげんにしてくれ」って.こっちとしては,「自転車を放り投げる力があるんだったら,登ればいいんじゃないか?」,と思ったんですけど….それ以来,1度もいっしょに行ってないです.
―― . . . . . . . .
鈴木 女房はテニスを相当やってまして,それで体力にものすごく自信があったようなんです.「自転車なんて」と,ちょっと小バカにするようなことを言ってたんです.では,自分のトレーニング・コースを走ってみようじゃないか,ということになって,こういう事態になっちゃいました.それからは(自転車を)バカにはしないですけど,絶対にいっしょに行こうとはしませんね.
ご近所に山があって,そこで毎日,トレーニングにはげんでいる鈴木さん.健康的な趣味と健康的な生活環境をお持ちで,とてもうらやましいです.でも,たまにはご家族の方をピクニック程度のサイクリングに連れていってあげてはいかがでしょうか.趣味を続けていくためには,ご家族の理解も必要でしょう.味方(?)は多いにこしたことはありませんよ.
というわけで,恒例のプレゼント・コーナーはこちら.
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