今回のお茶受け:テスト・エンジニアのキャラクタ
<<組み込めないインタビュー:第4回>>
組み込みシステム開発の業界でしごとをされている方々に話をうかがい,強引にネタ(とプレゼント)を提供していただく「組み込めないインタビュー」の第4回をお届けします.4番目の犠牲者は,コンサルタント会社にお勤めの大西建児さんです.
[図1] 大西建児さんが運営委員をされているソフトウェアテストシンポジウム(JaSST'06)のキャラクタ「テス太郎」.デザインは佐賀大学の大月美佳先生.
――大西さんはこれまでどのようなおしごとをされていたのですか?
大西 もとは電力会社向けの制御システムの開発に携わっていました.設計や実装をやっていたわけではなく,品質保証やテストが専門でした.次に通信機器メーカに移って,交換機のテストを担当し,そのあと,システムの要求定義のグループに移って仕様の練り直しをやったり,プロジェクト管理の世界を見たりしました.そして,あるテストのコンサルタントに誘われてこの世界に足を踏み入れて,現在に至っています.
――テスト・エンジニアというと堅そうな性格の人というイメージがありますが….(大西さんはあまり堅そうに見えなかった)
大西 シンポジウムで「クイズ100人に聞きました」みたいなアンケートを行ったところ,テスト・エンジニアのイメージは「根暗そうだ」とか,「まじめそうだ」とかいった回答がありました.とにかく,傾向としてはほんとうにまじめで,テスト・シンポジウムとか品質保証関係のイベントをやると,欠席者がほとんどいないんです.途中で帰ったりする人もいなくて.
――向き不向きがありそうなおしごとですね.
大西 米国で,あるコンサルタントの人が言っていたのですが,どうも男性より女性のほうがテストのしごとに向いているようなんです.テストでは,細かなところを追求していく部分と,大つかみで全体像を把握する部分があります.この両方を見るところは女性のほうが向いているらしくて….テスト専門でやってる国内のある会社でも,女性の割合が増えているんだそうです.
じゃあなんでぼくがテストに向いているんだろうと思ってたんですが,「男脳女脳診断」サイトというのがあってそれをやってみたところ,愕然としたことに,女脳が65%で男脳が35%という結果でした.ぼくの回りにいる女性と比率が同じだったんです.
――テスト・エンジニアのそういった性格はプライベートな生活に影響しますか?
大西 しごとは緻密なんですが,ぼくはもともと大ざっぱな性格です.プライベートだと,もともとの大ざっぱな性格がさらに大ざっぱになります.女房の食べものの好みや髪型の違いには気が付かなくても,システムのおかしなところには気が付いたり.で,家に変えるとかあちゃんに怒られると.
本能的にバランスをとってるんですかね.
――趣味は?
大西 趣味は食べること,飲むこと(写真1).ぼくは香川出身なんで,うどんは365日でもOKです.ほかの麺類,ラーメンとかそばだったら,1日おきならOKかな.
[写真1] 「山崎」の看板
7月15日に大阪で開催されたJaSST'05 in Osakaの翌日,工場見学をかねて,実行委員の方々と午前中からサントリー山崎蒸溜所で楽しまれたそうです.試飲会では「山崎」と「響」の水割りとロックを楽しんだあと,さらに売店の試飲コーナで「響」の利き酒セット(1,700円)を飲んで,上機嫌(で,午後は二日酔い).
――うどんは関西と関東とでかなり違いますね.東京に出てきて,食べもので苦労されたのでは?
大西 社会人になって初めての合宿研修が河口湖かどこかであって,お昼がうどんだったんです.食べたとき,「なんだ,このふにゃふにゃの麺は!」,「なんだ,そばと同じつゆを使って!」と思いました.結局,「東京のうどんと香川のうどんはまったく違う食べものなんだ」と割り切って食べるようになりました.最近はさぬきうどんブームのおかげで,東京でもそこそこのものが食べられるようになってますが….
――食べものについて,東京で良かったものはありますか?
大西 東京での楽しみはラーメンですね.コンサルタントをやってても,昼休みに回りにうまいラーメン屋がないかチェックして寄ったりしてます.客先からの帰りにわざわざ品川の「麺達七人衆 品達」に寄ったり.
――おすすめのラーメン屋は?
大西 最近おもしろかったのは,品達に「せたが屋 雲」という店があって,ソース・ラーメンというのを出しているんです.ソースと言っても“トンカツ・ソース”のソースじゃなくて,野菜で煮込んでいるスープで味がスパイシーなのをその店ではソースと呼んでるんです.ここの冷やしラーメンがインパクトがありました.
あと,「むつみ屋」というチェーン店で,「北海道スペシャルラーメン 北の恵み2005夏」とかいうドラマのタイトルみたいのがあったんです.簡単に言っちゃうと,じゃがいもの冷製スープのラーメンです.キャベツとベーコンとアスパラとコーンが入って洋風で,おもしろかったです.
それから,東京駅八重洲口の名店街地下の「ラーメン激戦区”東京編”」というエリアに「のりや」という和歌山ラーメンの店があって,そこで「岩のりつけそば」というのを食べました.ちょっとお酢を入れて,ラー油を「これでもか」というくらい山盛りかけて,という食べかたを人に勧めています.岩のりがラー油を吸収してくれるので,おいしくて.それで,スープ割りで最後にごっくんと.
ソーシャル・ネットワーク・サービスのブログには,ちょこちょことそんなことばかり書いてます.どこそこのラーメンうまかったとか.
――思わずラーメンを分類したりということは?
大西 ラーメンのドメイン分析は……したくないですね……でも,酔っぱらって語っているときは分析しているかも.
インタビューの中で,ときどき“ネタ”が混じってる関西人(四国人?)の大西さん.一人のり突っ込みで,「根暗でまじめなテスト・エンジニア」のイメージをどんどんぶち壊しちゃってください.でも,ラーメンの話は“ネタ”じゃないですよね.信用して食べに行きますよ.
というわけで,恒例のプレゼント・コーナーはこちら.
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