今回のお茶受け:お父さんのしごとは“くみこみ”
<<組み込めないインタビュー:第1回>>
今回から,組み込みシステム開発の業界でしごとをされている方々にいろいろと話をうかがって,強引に「組み込めないネット」のネタを提供していただこうということになりました.「組み込めないネット」のインタビューですから,もちろん技術の話なんかしません.絶対にしません.
第1回目の犠牲者は,某独立行政法人で「組込みスキル標準」の策定に携わられている渡辺のぼるさん(38才)です.
[写真1] 渡辺のぼるさん(38才)の仕事場にかざられていた人形
――休日や余暇は,どのようにすごされていますか?
渡辺 基本的には寝てすごしたい.テレビを見ながらごろごろしたいです.でも,現実には,わが家には保育園に通う子どもが二人いるので,雑誌のコラム注のネタを探しがてら,子どもといっしょにできるだけ外に出るようにしています.
注:渡辺さんは,CQ出版の月刊誌「Design Wave Magazine」で『組み込みソフトウェア開発の人間学』という連載コラムを執筆されています.このコラムは,このたび組み込みネットでも掲載を始めました.
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――最近は,どちらへ出かけられましたか?
渡辺 例えば,宇宙飛行士の毛利衛さんが館長を務める日本科学未来館に言って,プラネタリウムを見て,コラムを書きました.先週は秋葉原の交通博物館に行って,鉄道をいろいろと見て,子どもと楽しみながらコラムのネタを探しました.
――出かける場所は,技術と関係するところが多いのですか?
渡辺 やはり多いです.お父さんがやっているしごとに近いものを子どもに見せられればいいな,と.
――子どもさんはお父さんのしごとをどう認識されていますか.
渡辺 (苦笑しながら)ぜんぜん認識していないです.ぼく自身の「組み込み業界ってどんなところ」ということを明らかにする本業ともつながると思うのですが,「組み込み技術」がどのようなものなのかを家族とか,かみさんのお父さんなんかに説明するのがなかなか難しい.携帯機器とかカーナビを制御するプログラムを開発している人たちを支援したり,効率良くしごとができるようにするのがぼくのしごとだよ,と説明するのですが,「はぁ?」と言われたりします.
策定中の組み込みスキル標準では,開発環境をサポートする人とか,開発プロセスを定義する人とか,品質管理(QA)を担当する人のように,サポート業務に携わる人にも光を当てていく方針です.そういう人がいないと,現場の開発力の強化につながりません.
――どうすれば,組み込み業界のエンジニアにもっと光が当たるのでしょう.
渡辺 組み込みエンジニアのお給料が安いという問題をなんとかしないと.組み込みエンジニアがもう少しトレンディな職種になるためにはどうすればいいか.う〜ん,「月九(月曜9時)のドラマで取り上げられれば…」なんて話もしていますが….そこまでいかないにしても,いろいろな場面で組み込みエンジニアのしごとをアピールするように努力していかないといけないでしょう.
――最近,はまっているものはありますか?
渡辺 ダイエット・ペプシと栄養ドリンク.ダイエット・ペプシはシュワーっというそう快感が好きです.太り気味なんで,そこらへんを気にしながらダイエット・ペプシを.最近はレモン割り(ペプシツイスト)がお勧めです.職場に買いだめして,冷やしています.
それから,ときどき付いている「オマケ」.子どもにおみやげとして渡すんですけど,かみさんにイヤな顔をされてます.こんながらくた,とか.最近のヒットはスヌーピーのベル.全音階を3セット集めました.これだけは,かみさんも気に入ってくれました.
渡辺さんは,もともと通信装置のファームウェア開発者で,ボランティアで組み込み技術者向けの教育カリキュラムを作っている「組込みソフトウェア管理者・技術者育成研究会」(Society of Embedded Software Skill Acquisition for Managers and Engineers;通称SESSAME)の活動に参加.深入りせずにSESSAMEの教育カリキュラムを職場に持ち帰ろうと思っていたはずなのに,いつのまにか深入りしてしまい,「組込みスキル標準」の策定に携わるようになったのだそうです.
渡辺さん,お父さんのしごとを子どもさんたちにきちんと説明できる日が早く来るといいですね.
というわけで,恒例のプレゼント・コーナーはこちら.
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