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◆なにもない,なにもしない,それがぜいたく

 地元の人にそう言われると,少しめげそうになる.やっぱり,同僚が言ったことは正しかったのか….あー,どうしよう.このまま編集部に戻って,「結局なにもありませんでした」と言ったら,どんな目に会うか….あー,考えただけで恐ろしい.

 ぽつりぽつり重い足取りで駅に向かって歩き出す.ふと,見上げると,おっ,あれは!!


 『天然温泉』だ!! こんな都会の真ん中に,天然温泉があるなんて!! 休みの日,出かけるときは,銭湯を見つけしだいすぐに入れるように「銭湯セット」を持ち歩いている銭湯通(自称)の私としては入ってみないわけにはいくまい! しかし,今は午後3時.開いてるわけないでしょう,とおそるおそる近づいてみる.しかし,そこにはなんとたくさんの自転車となつかしの乳母車が.こ,これは,もしや.

 開いてました,開いてました.平日は午後2時から開いているようだ.で,日曜日はなんと朝の7時から!! すばらしい,すばらしいではないか.うちの近所の銭湯もみならってほしいもんだ.

 よーし,さっそくひとふろ浴びにいってきまーす.それでは,ご興味のある方は,しばしの間,わたくしの入浴シーンをどーぞ(下のボタンをクリック).

 天然温泉というだけあって,なにかこう,肌がヌルヌルする.硫黄系かな? でもにおいはしない.色は「黒湯」と呼ばれているものに近い.茶褐色.ん? もしかして黒湯なのかな? なにはともあれ,肌はすべすべ,肩こり解消,ストレスもせっけんの泡とともに流される.はー,平日の真っ昼間に銭湯なんて,こんな幸せってある? ただ,ぼんやりと湯船につかる,それだけのこと.でも,それだけのことが,だんだん難しくなっているご時世.「なにもしない」ぜいたくを味わえるひとは幸せなんです.

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