
米国Cynergy System Design社(旧CAE Plus社)は,同社の「ASVP Builder」のオプションとして,ARM7/ARM9プロセッサ・コアのシミュレーション・モデルを提供する.ASVP Buliderは,同社のモデリング環境(ArchGen,Afterburner)で作成した複数のRTL-Cモデル(詳細は後述)を接続し,協調動作させるためのツールである.価格は1モデルあたり200万円.今回のシミュレーション・モデルの配布にあたって,Cynergy社は英国ARM社と提携を結んだ.
今回のシミュレーション・モデルは,ARMコアを搭載するLSI,およびそのLSIと組み合わせて利用する組み込みソフトウェアを開発する際に利用する.開発の早い段階でARMプロセッサ上で動作するソフトウェアと周辺論理の協調検証を行える.シミュレータ上でソフトウェアや周辺論理回路のデバッグを行えるため,チップ試作の回数を減らすことができる.
同社のシミュレーション・モデルはクロック・サイクルの精度を備えており,C言語で記述されている.検証時にHDLシミュレータなどは利用しない.こうしたモデルを同社はRTL-Cモデルと呼んでいる.RTL-Cモデルを利用した場合,シミュレーションを50,000サイクル/sの速度で進めることができるという(Ultra 60,400MHz動作のCPUで稼働した場合).
2001年9月に,まずARM940Tのモデルを提供する予定.このモデルにはARM9CCM(Cycle-callable Model),ARM9CCMアダプタ,AMBAバスとメモリのRTL-Cモデルが含まれる.以後,2カ月に1品種のペースでARM9ファミリのモデルを出荷する計画.ARM7ファミリのモデルについては,ユーザの要求があった段階で開発を始める.同社の製品の国内販売代理店は,アドバンスト・データ・コントロールズ.
[図1] ARM940Tモデルを搭載したシミュレーション環境
Cynergy System Design社のホームページ
http://www.cynergysd.com/
アドバンスドデータコントロールズのホームページ
http://www.adac.co.jp/
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