
セイコーエプソンは,PDA(personal digital assistant)などに必要な機能を1チップに集積化した32ビットRISCマイクロプロセッサ「S1C38000」を発表する.PalmなどのPDAのほか,携帯電話やインターネット・アプライアンスなどの応用でも使えるという.2001年第3四半期より量産出荷を開始する予定.5万個購入時の単価は2,000円.
CPUコアには,英国ARM社の「ARM720T」を採用している.ARM720TはARM社の「ARM7TDMI」コアを基に開発されており,8Kバイトのキャッシュ・メモリ,書き込み用バッファ・メモリ,MMUを内蔵する.また,バスには,AMBA2.0規格の仕様を採用している.
電源電圧は2.5±0.2V,I/O電圧は3.3±0.3Vである.消費電力は,48MHz動作時に標準150mW.
周辺回路として,LCDコントローラ,メモリ・インターフェース・コントローラ,USB1.1インターフェース,IrDA FIRなどを内蔵している.
入出力として,16本の専用GPIO(汎用入出力),ほかの機能と兼用できる21本のGPIO,13本の汎用出力が設けられている.外部メモリ・インターフェースはROMやSRAM,フラッシュ・メモリ,SDRAMに対応している.
パッケージは,169mm2の239ピンCFLGAで,同社の208ピンQFPと比べて約1/5の実装面積になるという.
S1C38000は,0.25μmルールの金属4層のCMOSプロセスで製造する.
今後は,S1C38000の派生品として,MPEG4の機能を加えた携帯電話用や0.18μmルールで製造するPDAチップ用,ARM92XTコアを採用したVoIP用の開発を予定している.
[図1] S1C38000の外観

[図2] S1C38000の内部ブロック図
[表1] S1C38000の概要
電源電圧(V)
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システム電圧
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I/Oシステム電圧
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A/Dアナログ電圧
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PLLA1),PLLB2)用電圧
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2.5±0.2
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3.3±0.3
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3.3±0.3
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2.5±0.2
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48
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1)PLLA: 32kHzの水晶から、内部クロック(48MHz)を作り出すためのPLL.
出力 周波数をプログラムで可変できる.
2)PLLB: 6MHzの水晶から、USB用の48MHzを作り出すためのPLL.
セイコーエプソンのホームページ
http://www.epson.co.jp/
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