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2003年の技術解説




技術解説:組み込みCPUの最新動向―ヘテロジニアスなマルチ・コアが主流に 12.26
かつてプロセッサと言えば,システムを規定する中心的な役割を果たしていた.しかし現在では,負荷の高いデータ処理を行う主役はアクセラレータやDSPなどに移ってきている.チップ内には複数のIPコアが配置されるため,それらの相互接続方式(オンチップ・バス)もシステムLSI設計の重要な要素である.また,構成を柔軟に変えることのできるプロセッサも台頭してきている.



技術解説:システム・イン・パッケージに組み込まれるMEMS慣性デバイス 12.13
ここでは,サーフェイス・マイクロマシーニング技術を用いたMEMSセンサの開発工程と,そのセンサを利用したアプリケーションを紹介する.現在,MEMSセンサの応用例としては自動車のエア・バッグにおける衝突の検知などが広く知られているが,携帯機器やゲーム・パッド,ハード・ディスク装置にも搭載されつつあるという.



技術解説:映像と通信が融合する“ディジタル新時代”のASIC技術者像 11.27
ここでは,大量生産される電子機器の中核となるASICを開発するにあたって,設計技術者に求められる素養や技能について説明する.設計技術者には,開発目標となる製品についての知識はもちろん,それらの製品や要素技術の将来動向を見通す先見性が要求される.また,量産ASICの開発では,歩留まり,すなわち回路設計余裕度(マージン)を意識した設計が重要になる.機能や性能に加えて,歩留まりもまた,その製品の成否を左右する重要な要素となる.



技術解説:車載マルチメディア・ネットワーク「MOST」の設計ノウハウ 10.27
情報系の車載ネットワークである「MOST(Media Oriented Systems Transport)」を採用した自動車が徐々に増えてきている.ここでは,まず,MOSTの基本構成を説明する.後半では,複数の装置(ノード)からなるMOSTネットワークのロバスト(堅ろう)性を高めるための,ハードウェア(主にプリント基板)とソフトウェアの設計手法を解説する.



技術解説:アーキテクチャ設計を行う
つながるワイヤレス機器の開発手法(8)
9.30
ワイヤレス機器のアーキテクチャを決定するにはさまざまな要素を考察する必要がある.中でも,プロセッサは重要であり,アプリケーションなどを考慮して正しく選ぶ必要がある.ここでは,アプリケーションをワイヤレスLAN,Bluetooth,携帯電話にしぼってプロセッサを選択するために考慮すべきことなどを説明する.



技術解説:固定小数点プログラム開発の手間を省けるDSPコアを開発 9.16
筆者ら(旭化成)は,固定小数点プログラム開発の手間を軽減できる組み込み機器向けの信号処理プロセッサ(DSP)コア「FitDSP」を開発した.算術方式として「ブロック浮動小数点方式」を採用した.これによって,実装コストの低減とプログラム開発の簡素化を両立できたという.本DSPコアはRTLのVHDLで記述されており,ビット幅などはユーザが自由に調整できる.



技術解説:通話の原理から通信を学ぶ―つながるワイヤレス通信機器の開発(7) 8.28
前回に引き続き,原理設計について説明する.前回は,ワイヤレス通信機器の要素技術のうち高周波技術,変復調技術,符号化/復号化技術について説明した.今回は,アナログ回路で実現する音声処理技術,ソフトウェアで実現する通信プロトコル,および比較的最近になって出てきたアプリケーション関連技術を紹介する.



技術解説:ソフト・マクロのCPUを使おう!―FPGAによるSOC設計の意味 8.14
大規模FPGAの普及や低コストFPGAの登場により,FPGA向けのソフト・マクロのCPUが実用的なものとなってきた.ここでは一般 的な組み込みシステム設計を想定しながら,ソフト・マクロのCPUを組み込んだFPGAを活用するメリットを解説する.ソフト・マクロのCPUをうまく利用すると,開発費や保守費を削減できる.



技術解説:後からモジュールを追加できるITRON仕様OSの開発 7.28
組み込みソフトウェアの大規模化と複雑化が急速に進み,品質・信頼性確保について深刻な問題が顕在化しています.そこで筆者らは,不ぐあいがあってもネットワーク経由で対応できるしくみを備えた組み込み機器向けOSを開発しました.この開発のベースは,メモリ保護機能を持ったμ ITRON4.0/PX仕様に準拠したOS「IIMP(Implementation of ITRON with Memory Protection)」です.



技術解説:携帯電話に搭載される「D級アンプ」 7.11
テレビ電話機能付き携帯電話にD級アンプICが搭載され始めています.こうした用途のD級アンプICは高効率でありながら,外付けのLCフィルタが必要ありません.ここでは,米国Texas Instruments社のD級アンプIC「TPA2005D1」の動作原理,およびD級アンプが携帯電話に利用できるようになった背景について説明します.



技術解説:0.4mm角RFIDチップ「ミューチップ」の設計技術 6.27
筆者ら(日立製作所)は,0.4mm角と非常に小さいRFIDチップ「ミューチップ」を開発した.RFIDとは,無線を利用する自動識別技術である.読み取り装置が発生する電波を受信し,その電磁波エネルギを使って回路を駆動し,識別番号などの情報を送信する.ここでは,本RFIDチップ開発の背景や回路構成,電気的特性,アンテナとの接続(実装)上のくふうなどについて解説する.



技術解説:統合型プリント基板CADツールの運用方法 5.29
ここでは,プリント基板設計に利用される支援ツールの概要と,回路設計者がプリント基板を設計会社や基板メーカなどへ発注する際の注意点について説明する.最近では,回路図エディタやレイアウト・ツール,伝送線路シミュレータ,共通データベースなどを統合した設計環境が比較的容易に入手できるようになっている.



技術解説:「組み込み」ならではの基礎知識―スタートアップ・ルーチン,ハード 5.14
組み込みソフトウェアには,一般のアプリケーション・ソフトウェアにはない考えかたが存在する.ここでは,「組み込み」ならではのいくつかの概念について解説する.例えば,プログラムのランタイム構造やスタートアップ・ルーチン,割り込み,配列の実体,同期/非同期,volatile,ハードウェアなどを説明する.



技術解説:つながるワイヤレス通信機器の開発手法(6) 原理設計を行う 4.30
ソフトウェアとハードウェアの切り分けが終わり,原理設計の段階に入る.今回から2回にわたって,ワイヤレス通信機器の設計に固有の技術や知識について具体的に説明する.ワイヤレス通信の要素技術である高周波技術,変復調技術などは,数学や物理の知識が必要となる.



技術解説:1Tr構成の疑似SRAMは携帯機器分野で開花するか? 4.14
現在,全世界において携帯電話の普及率が伸びています.携帯電話は単なる音声処理を行う装置から,音声とデータを処理する装置に変わりました.データ通信装置へと向かう推進力は,携帯電話のハードウェアに影響を与えてきました.高集積,低電圧,高速のメモリが開発されたことで,携帯電話へのメモリの適用形態は変化してきました.ここではメモリに対する要件と携帯電話への適用について述べます.



技術解説:つながるワイヤレス通信機器の開発手法(5) H/S分割とBluetooth 3.25
前回に引き続き,製品機能をハードウェアとソフトウェアで切り分ける作業について解説する.ここでは,Bluetoothのベースバンド処理機能を例に,具体的な切り分けの方法を述べる.また,最近制定されたアプリケーション・インターフェース(New Profile)についても解説する.



技術解説:DRAMをどう使うか?―性能の改善技術とその性能を生かす選択方法 3.17
DRAMの市場は主に,情報処理機器向け,ディジタル・コンシューマ機器向け,通信・ネットワーク機器向け,FA機器向けに分けられる.それぞれの市場によって性能や容量,消費電力に対する要求が異なるため,DRAMは多様化している.ここでは,市場ごとの要求と動向,低電圧化・低消費電力化のための対策などについて解説する.



技術解説:Cベース設計とは? 導入の課題は?―人手による介入が必須 3.3
Cベース設計とは,C/C++やその拡張言語に基づくシステム・レベル設計,あるいはハードウェア・ソフトウェア協調設計のことを指す.Cベース設計について,「従来より抽象度の高いレベルの記述から完全自動合成が行える」という誤解がある.現実には,合成技術に過大な期待を寄せるのは危険で,人手による介入が必ず必要になる.



技術解説:つながるワイヤレス通信機器の開発手法(4) ハード/ソフト分割 2.14
製品機能を決定すると,次はハードウェアとソフトウェアのどちらでその機能を実現するかを考えなくてはならない.この作業を「ハードウェアとソフトウェアの切り分け」と言う.今回は,その切り分けをハードウェア/ソフトウェア・エンジニアの特質の違いや製品を市場に送り込む時期などを考慮しながら解説する.



技術解説:UMLを基礎から理解する―UMLでできること,できないこと 2.3
UML(Unified Modeling Language)の入門的な解説というと,各種ダイヤグラムについて手取り足取り説明する場合が多い.しかし,この意味でのUML入門については,すでに多数の書籍が存在しているし,Webサイトで公開されているものもある.ここでは,世の中にあふれているUML情報に接する際に必要となる,UMLの位置付けや,ハードウェアにからむ今後の方向性について解説する.



技術解説:PCI Expressデザイン・ガイド 1.21
2002年7月,PCI-SIG(PCI Special Interest Group)により,PCIバス規格の後継となるPCI Expressバス規格が策定された.シリアル転送インターフェースを採用し,高速データ転送を実現した,今後10年を担う次世代I/Oであるという.ここでは,そのPCI Express規格について,LSIを設計するうえで必要となる事項に焦点を当てながら解説する.



技術解説:2.5G/3G携帯電話の要素技術―複合サービス端末へ変身 1.8
現在の携帯電話は,通話のためだけのものではなく,インターネット・アクセスやカメラ,GPS(Global Positioning System),音源,3次元グラフィックスなどの機能を備える複合サービス端末になっている.ここでは,携帯電話に入ってきた新機能を整理し,それらの機能がどのようにして実現されているのかを紹介する.



 
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