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埼玉県A市で飛行船を見た
――2007年11月のツェッペリンNT レポート

 

組み込めないネット編集部

 2007年11月のある日,埼玉県A市の上空を飛行船「ツェッペリンNT」が飛行していった(写真1).もしかしたらあの飛行船には,136,500円を支払った遊覧客が乗っていたのかもしれない.

[写真1] ツェッペリンNTを発見
慌てて写メール・モードで撮影したため,解像度が低い.


 2007年10月23日,JTB西日本は,全長75mの飛行船「ツェッペリンNT」による東京上空の遊覧クルーズを11月下旬から開始すると発表した(詳しくはJTBのWebサイトを参照.東京新聞の2007年10月24日の報道記事も参照).同飛行船の定員は8名.同飛行船は1993年に設立されたドイツZeppelin Luftschifftechnik社(ツェッペリン飛行船技術会社)が開発した飛行船であり,これまでに3機製造されている.1機は日本飛行船が購入し,2005年に愛知県で開催された博覧会「愛知万博(愛・地球博)」の広告宣伝飛行に利用した.残りの2機はドイツにおける観光遊覧や南アフリカにおける資源探査に利用されているという.

 飛行船は通常,60〜70km/hで高度300〜600mあたりを飛行する.その姿が地上からよく見えること,動きがゆったりとして見えることなどから,飛行船のファンは多い.遊覧クルーズの料金は126,000〜168,000円(飛行時間:1時間半)という高めの価格帯であるにも関わらず,2007年11月から2008年1月までのクルーズはほぼ完売したようだ(asahi.comの2007年11月23日の報道記事を参照).乗船のかなわぬ私も,せめて日本飛行船のフライト情報をチェックして,空を見上げたいと思う.東京都23区内や埼玉県東部に在住・通勤している人にも,ぜひチェックをお勧めしたい(運行ルートはこちらを参照).

 なお2005年ごろ,茨城県土浦市は「飛行船の街」として地域振興を図っていた.ツェッペリンNTを同市に誘致し,都内への観光遊覧事業や飛行船製造産業を育成しようというのだ(詳しくは,お茶受け「来たれ,ツェッペリンNT号」を参照).しかしこの試みは残念ながら実らなかったようだ.現在,ツェッペリンNTの格納庫は鹿児島県鹿児島市七ツ島にあり,運行基地は埼玉県桶川市(本田エアポート)にある(南日本新聞の2007年7月24日の報道を参照).2005年当時,積極的に活動されていた飛行船博士,天沼 春樹氏のWebサイト「ツェッペリンNTはいまどこに」の更新も2007年9月で止まってしまっている(日本飛行船のフライト情報が公開されるようになって,役目を終えたと判断したのかもしれない).

 夢を運ぶ飛行船.だが,一抹の寂しさを感じるのは,私だけだろうか.




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