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M-Systems,コントローラ回路を組み込んだ32Mバイト・フラッシュ・メモリを発売


 イスラエルM-Systems Flashdisk Pioneer社は,32Mバイトのフラッシュ・メモリとフラッシュ・メモリ・コントローラを1チップに集積したLSI「DiskOnChip Millennium plus」を発売した.同社はこれまで,コントローラ回路内蔵の8Mバイトのフラッシュ・メモリ「DiskOnChip Millennium」を出荷していた.日本では2001年6月から出荷を開始する.サンプル価格は5,000円.

 フラッシュ・メモリの構造はNAND型.内蔵のコントローラで,EDC(Error Detecting Code)/ECC(Error Correction Code)などの処理を行っている.ウェア・レベリング,ガーベジ・コレクション,自動ブロック・マッピングなどを行う同社の「TrueFFS(flash file system)技術」と組み合わせることで,ハード・ディスクの読み出し/書き込みをエミュレーションできる.TrueFFSのBIOS(DOS版)とドライバは,同社のホームページからオブジェクト形式でダウンロードできる.対応しているOSは,DOS,WindowsCE/NT Embedded,Linux,VxWorks,pSOS.これ以外のOSに対応する場合には,開発環境「TrueFFS OSAK」を用いてカスタマイズする必要がある.サポートしているCPUはx86,MIPS,PowerPC,StrongARM,SH-3/4.

 メモリ・バスとして16ビット・バスを採用している.外付け回路なしで,このチップを最大4個カスケード接続できる.サステイン読み込み速度は2.4Mバイト/秒,サステイン書き込み速度は1.1バイト/秒,バースト転送速度は20Mバイト/秒以上である.電源電圧は3.3Vまたは5V.最大消費電流は45mA.48ピンTSOP-Iに封止する.

 セキュリティ機能として,工場出荷時に各デバイスにID番号を設定している.また,ユーザ用のOTP(on time programming)領域を6Kバイト持っている.このほか,メモリ上の保護されたエリアへのアクセスにパスワードが必要なリード/ライト・プロテクト機能を持っている.これは,パーティションを作るイメージで,二つのエリアを確保できる.

 NAND型フラッシュ・メモリの製造には,東芝のフラッシュ・プロセスを採用している.8Mバイト版の「DiskOnChip Millennium 」は,ソニーのパーソナルITテレビ「airboard」に採用されている.


[図1]DiskOnChip Millennium plusの外観



日本エム・システムズのホームページ

http://www.m-sys.com/japan/


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