
マイクロウェア・システムズ・コーポレーションは,POSIXスレッドをサポートしたリアルタイムOS「OS-9 Ver3.0 for SuperH」を発売した.
マルチスレッドに対応するために,ISO/IEC 9945-1:1996 POSIX標準に準拠したライブラリを提供している.マルチスレッドの機能はOSのコア(カーネル)部分に実装しており,基本的なモジュール間のインターフェースなどは旧バージョンから変更されていない.このため,既存のデバイス・ドライバなども問題なく動作するという.POSIXスレッドAPIをサポートしており,他のOSからOS-9への移行が簡単に実現できる.
マルチスレッド機能を使用することで,高速なコンテキスト切り替え,使用メモリ量の削減,メモリの共有化などのメリットが得られる.ただし,一般に,スレッドはデータ保護やスレッド内部のセキュリティ機能をもたない.OS-9のメモリ保護機能はプロセスに対して機能するため,マルチスレッドを利用したプログラムでは,スレッド間のデータ保護などは行えない.プロセス内のデータ保護やスレッド間のセキュリティなどを考慮したアプリケーション開発が必要になるため,アプリケーションをプロセスとして実現するか,スレッドとして実現するかを選択できるようにしている.
スレッド機能のほか,オーディオのエンコード/デコード機能,IEEE-1394およびUSBをサポートしている.PersonalJava for OS-9実装の強化も行っている.SH-3/4版のほか,PowerPC,SH-3,x86,ARM,StrongARM版もリリースしていく予定である.
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