オムロン,MEMSサーモパイル素子で赤外線を検出する非接触温度センサを発売
 オムロンは,MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスによって赤外線を検出する非接触温度センサ・モジュール「形D6T」を発売する.温度検出範囲は5℃〜50℃,温度出力誤差は±1.5℃,温度分解能は0.14℃.家屋やビル,工場などの温度監視に利用できる.焦電素子を使った人感センサと異なり,本センサ・モジュールは静止した人物も検出可能.

 対象物からの放射エネルギーを,MEMS技術で製作したサーモパイル素子(熱電対列)で受けて,温度を計測する.2種類の金属接点間の温度差に応じた熱起電力が発生するゼーベック効果を利用する.n型ポリシリコン,p型ポリシリコン,金属(Al)で熱電対を構成し,これを直列につないでサーモパイル素子とした.熱絶縁性の高い誘電体薄膜上に温接点を,熱伝導性の高いシリコン上に冷接点を形成することで,高速に応答し,エネルギー変換効率の高い温度センサを実現できたという.

 MEMSサーモパイル素子の構成は,4×4素子タイプと1×8素子タイプの2種類を用意する.これらの素子とセンサの周辺回路を集積したASICを一つのパッケージに封止した.電源電圧は4.5V〜5.5V.4×4素子タイプのMEMSサーモパイル素子を搭載したモジュールの外形寸法は18mm×14mm×8.8mm,1×8素子タイプを搭載したモジュールは18mm×14mm×10.7mm.

 2012年6月30日に出荷を開始する.なお,同社は2012年7月11日〜13日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「第23回マイクロマシン/MEMS展」にて,本モジュールを展示する予定.

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