ARMがGPUコアのロードマップを紹介,20nm以降で製造する次期製品を2012年,2013年に市場投入へ
 英国ARM社の日本法人であるアームは,2011年7月25日に東京コンファレンスセンター 品川で開催したプレス向け説明会にて,同社のGPU(Graphics Processor Unit)コア製品「Mali」の開発ロードマップを紹介した.2011年夏ころの出荷を予定している「Mali-T604」に続いて,2012年に次期GPUコア製品を,2013年にさらにその次の世代の製品を出荷する計画.2012年,2013年に出荷するGPUコアはMali-T604と同じMidgardアーキテクチャに基づいており,ソフトウェア互換性を維持している.これらのGPUコアは,20nm以降のプロセス技術で製造されるもよう.また,2011年10月に開催する同社のプライベート・イベントにて,Mali-T604の姉妹品を発表することにも言及した.

 Mali-T604は,最大4個のシェーダ・コア,コア内タスク管理機能,メモリ管理ユニット,レベル2キャッシュ/スヌープ制御ユニット,AMBA 4 ACE-Liteインターフェースを内蔵する.また,動的な電力管理機能を備えており,各コアの動作を個別に制御できる.組み込み向けグラフィックスAPIについては,OpenGL ES 2.0,次期OpenGL ES(Halti),および米国Microsoft社のAPIであるDirectX 11に対応する.さらに,GPUコンピューティング(GPGPU)への適用を想定して,OpenCL 1.1,AndroidのRenderScript,Microsoft社のDirectComputeをサポートする.

 同社ではMali-T604コアを利用した機器は,2012年後半に登場すると見ている.また,Microsoft社が次期OSであるWindows 8においてARMアーキテクチャのサポートを表明しているが,Windows 8に対応したスマートフォンやタブレット型端末,ノート・パソコンにはCortex-A9を搭載したプロセッサが採用され,Mali-T604もこうしたプロセッサに組み込まれていくことを期待しているという.

■連絡先
アーム株式会社
TEL:045-477-3117

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