SpringSoft,FPGAプロトタイピング・ボードを使ったデバッグの効率を引き上げる検証ツールを発売
 台湾SpringSoft社は,市販や内製のFPGA(Field Programmable Gate Array)プロトタイピング・ボードと組み合わせて利用する検証システム「ProtoLink Probe Visualizer」を発売した.SoC(System on a Chip)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのデバッグに利用する.例えば,画像処理用LSIの開発において,画像を数フレーム分表示して回路動作を検証する場合などに利用する.

 本検証システムを使うと,FPGAプロトタイピング・ボード上の任意の信号を抽出してその履歴をホスト・コンピュータに転送したり,ボード上のFPGAのコンフィグレーションを容易に変更できる.さらに,抽出した信号を同社の機能検証ツールである「Verdi」に転送可能.Verdiの備える解析機能や検証自動化機能を利用しながらFPGAプロトタイピング・ボードを使ったデバッグが行える.

 本検証システムは,ホスト・コンピュータとFPGAプロトタイピング・ボードの間に挿入するインターフェース・ボード「ProtoLink Interface Card」,FPGAプロトタイピング・ボードとインターフェース・ボード,ホスト・コンピュータの間を接続するケーブル,FPGAプロトタイピング・ボード上のFPGAに組み込むソフトマクロの検証用IPコア,ホスト・コンピュータ上で動作するソフトウェア「Probe Visualizer」などから構成される.

 ProtoLink Interface Cardは,FPGAプロトタイピング・ボード上のFPGAの制御,およびFPGAから取り出した信号の履歴を本ボード上のメモリにいったん蓄積し,ホスト・コンピュータに転送する処理を行っている.信号の履歴を蓄積する際に,FPGA内部のメモリ・ブロックなどは消費しない.設計修正が発生した場合,変更が生じる部分のみを再コンフィグレーションするECO(Engineering Change Order)機能を備えている.

 ユーザは,FPGAプロトタイピング・ボード,検証対象となる回路のRTLデータ,ボード上のメモリやコネクタのピン配置の情報を用意する.

■価格
360万円(1年間のライセンス,3年間契約時)

■連絡先
スプリングソフト株式会社
TEL:045-470-8890

(c)2011 CQ出版