Mentorの組み込みLinux戦略,半導体メーカの無償配布Linuxパッケージと同一のビルド環境を利用可能に
 メンター・グラフィックス・ジャパンは同社のプライベート・イベントであるEDA Tech Forum 2010(2010年9月3日,東京・六本木の東京ミッドタウン・ホールにて開催)に合わせて,組み込みLinux事業に関するプレス向け説明会を開いた.この説明会において,米国Mentor Graphics社が2010年7月に発表した「Mentor Embedded Linuxプラットフォーム」の概要を紹介した.

 本プラットフォームは,米国Freescale Semiconductor社のPowerマイコンをサポートする有償の商用Linuxパッケージである.アプリケーション・ソフトウェアだけでなく,カーネルの検証にも利用できるデバッグ・ツールやワークフロー管理ツールなどを含んでいる.現在対応しているマイコンは,QorIQ(コアアイキュー)P4080,同P2020,PowerQUICC MPC8572,同MPC8377.また,今後出荷されるQorIQ P3041,同P5020,同P5010にも対応する予定.

 本プラットフォームのカーネルやドライバは,Freescale社が無償配布しているLinuxパッケージと共通のもの.また,ワークフローを標準化した.これにより,Freescale社のLinuxに基づくビルド環境を,そのままMentor社のパッケージでも利用できる.すなわち,Freescale社のパッケージ(無償版)から商用品質のサポートを受けられるMentor社のパッケージ(有償版)に移行する際に,それまでに開発したソフトウェアや環境が無駄にならないという.

 Mentor社は,2009年7月にAndoroidおよびLinux関連の製品やサービスを提供する米国Embedded Alley Solutions社を買収し,組み込みLinux市場への本格参入を果たした.

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