はんだ付けから始める録音装置の製作で小中学生にもの作りの楽しさを伝える
 2010年8月12日に,四日市市環境学習センター(三重県四日市市)にて,電子工作教室「音のしくみとデジタル録音装置」が開催された.地元の小中学生18人が参加した.本教室は,科学サークル大黒屋の伊藤 仁氏と舘 伸幸氏が,子どもたちに科学技術の面白さと自分で物を作る楽しさを伝えることを目的に,夏と冬の年2回のペースで開催しており,今回で3回目となる.

 今回製作したのは,30秒ほどの音声が録音できる「デジタル録音装置」である.ほとんどの参加者ははんだ付けの経験がないため,伊藤氏と舘氏が各テーブルで実際にはんだ付けを実演しながら,その方法を説明した.

 参加者は配られた資料を見ながら,基板にスイッチやICソケット,マイク,抵抗,コンデンサなどの部品をはんだ付けしていく.極性のある部品については向きを確認をするなど,真剣な顔つきで,参加者は作業を行っていた.

 すべての部品を基板に取り付け,電池を入れると,装置が完成する.参加者は自分の作った録音装置に,「おかあさん,今日の晩御飯はお寿司にしてくだい」や「お兄ちゃんのバカ」など,思い思いの言葉を録音していた.

 そのほか,紙コップとひもと松ヤニを使って怪獣の声を作り出したり,フィルム・ケースとストローを使ったオカリナを作成したりした.さらに伊藤氏と舘氏が,音叉を水の中に入れ波紋が立つようすを示して,音はモノの揺れで起こる現象であることを示した.録音装置のしくみなどを説明すると,参加者は音のなる仕組みについても興味を持っていたようだった.

(c)2010 CQ出版