フジプレアムとデュポン,従来より約25%軽量化した薄型の結晶系シリコン太陽電池モジュールを開発
 太陽電池パネル・メーカのフジプレアムと材料メーカのデュポンは,従来型の結晶系シリコン(c-Si)太陽電池モジュールより約25%軽量化した薄型の太陽電池モジュールを開発した.建材一体型太陽電池モジュールや荷重制限のある場所で使用される太陽電池モジュール,大規模太陽光発電施設(メガソーラ)向けの太陽電池モジュールなどに応用できるという.本モジュールは2010年中にフジプレアムが製品化する予定.

 結晶系シリコン・セルを1.1mm厚の2枚の板ガラスで挟み,封止材としてデュポンのPV5300アイオノマーシートを採用した.3.2mm厚の強化ガラスとバックシート,EVA(ethylene vinyl acetate;エチレン酢酸ビニル)封止材を使用した従来型の太陽電池モジュールの場合,単位面積当たりの重量は9.4kg/m2だった.これに対して,今回の太陽電池モジュールの重量は7.2kg/m2となった.

 デュポンのPV5300アイオノマーシートはこれまで,主に建築分野や自動車分野の安全ガラス向けに使用されてきた封止材料で,約15年の実績がある.耐候性に優れている,加重に対する強度が高い,たわみが少ない,エッジの水分浸透性が低い,EVA封止材と比べてヘイズ(くもり)が少ない,などの特徴がある.これまでにも太陽電池モジュールの封止材として使用されたことはあるが,今回のような1.1mm厚の板ガラスを使う薄型の太陽電池モジュールに使用されたのは初めて.

 本太陽発電モジュールのサンプル品は,2010年6月30日〜7月2日にパシフィコ横浜にて開催される太陽光発電についての総合展示会「PV Japan2010」の両社のブースに展示される.

■連絡先
フジプレアム株式会社
TEL:079-266-6161
デュポン株式会社
TEL:03-5521-8482

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